ソフトバンク2軍は22日、タマスタ筑後で行われたウエスタン・リーグの阪神戦に1-1で引き分けた。先発のジョー・ガンケル投手は6回1失点。4回に安打と味方失策で1点を先制されたが、8回に代打・渡邉陸捕手の適時打で同点に追いついた。ルーキーの吉田賢吾捕手が3打数3安打と気を吐いた。試合後の小久保裕紀2軍監督の一問一答は以下の通り。
「『ここまで来たら優勝するぞ』って話をして、1週間ぐらい経って、今日みたいなゲームで、いい成長の舞台だなっていうね。2軍といえども、今日みたいなゲームの、川村(友斗)の紙一重のところの打球であったりとか、仲田(慶介)の悪送球であったり……。まあ、吉田が捕っていれば、難なく終わっていたところだけど、陸が終盤大事なところで(打ってくれた)。スタメンを外され続け、海野(隆司)にずっとスタメンを奪われて、最後の優勝争いで久々に出た打席でヒットが出るとか、野球の面白さとか、人間ドラマが凝縮されてたような試合だった」
「だから、今日は見ながら『あぁ、選手は今日は上手くなるやろうな』と思いながら見てましたけどね。僕らがいくら『練習しろ』って言ったって、今日みたいな川村の打席がないと、本人たちのスイッチが入らない。逆にあれで本気で練習しなかったら嘘なんで。もう、そんなヤツはすぐクビになるんで。そういう点では(笹川)吉康のバントもそうですけど、いっぱい詰まったゲームでしたね、今日は」
――2軍だけど、緊張感が違う。
「シーズンが始まると時とかじゃ(この緊張感は)出ない。もう終盤の競ってる残り9試合で、負けたら1.5ゲーム差に追い詰められる中で、そういう中でやれる試合っていうのは、彼らにとっては成長のチャンスだと思います」
――12日の阪神戦で小久保監督は初めて「優勝」という言葉を伝えた。
「緊張感を持ってるっていうか、まあ、ガチガチやね。わざとそうしたんで。緊張を取ってやろうとは思ってない。余計にプレッシャーを与えて」
――プレッシャーを与えた中で、阪神戦は3連敗。その後の中日戦は3連勝だった。
「ひょっとしたら1週間全部負けるかなと思いながら、盛り返したんでね。でも、仲田とかも初戦で2つエラーして、あいつのせいで負けたようなゲームから立ち直るまでに、土曜日の3安打までかかっているんで。土日は2日とも決勝タイムリーを打った。でも、やっぱりプロ野球選手は(立ち直るまでに)4試合かかったら飯食えんよって話もしている。やったものはやったで怖さもわかりましたけど、そのカード以内ぐらいには平常心に戻ってこないと、この世界では飯食えない。今いい経験できてると思いますよ、私たちは」
――吉田選手は3安打にバントもしっかり決めた。
「吉田はバッティングがいいんです。バッティングがいいのはわかってたけど、でも、キャッチャーとしてはちょっと使うところを探していたんですけど、今たまたまサード、ファーストが手薄なんで。というところからファーストをやらせているんですけど、バッティングはもう本当に何回も言ってますけど、分析能力が高い。(ノートに)書いてくる内容が他の選手とダントツで違う。ああいうのを見て他のヤツが勉強したらいいのになと思う」
――山下選手はリチャード選手の代わりにスタメン。
「そうそう。試合前にアイツがなんかおかしかったんで。全然選手がいない。支配下が全然足りない」
――山下選手は持っている?
「そうですね。しかもヒットもポーンと打ってね。たまたまそういう巡り合わせです」
――どんな選手と見ていますか?
「まだわからん。2、3日見ただけでわかるわけない(笑)。それでも、その場でヒットを打てるのは大したもんだと思いますよ」
――リチャード選手は今日ベンチにはいました。
「声出してましたね。多分ちょっと時間かかるんじゃないですかね。しょうがないっすよ。あいつが痛いっちゅうのはまあまあ痛いんで」