“大荒れデビュー”だったヘルナンデス 「わかっていたこと」斉藤和巳コーチの評価は?

ソフトバンクのダーウィンゾン・ヘルナンデス【写真:荒川祐史】
ソフトバンクのダーウィンゾン・ヘルナンデス【写真:荒川祐史】

デビュー戦となった左腕は3安打2四死球で1回持たず降板

 ソフトバンクは23日、敵地・ZOZOマリンスタジアムでロッテに9-5で勝利した。中村晃外野手の4号3ランで逆転すると、8回には近藤健介外野手が19号ソロ。9回には7安打を集中して一気にリードを広げた。

 楽勝ムードが最終回に冷や汗をかくことになった。6点リードの9回にマウンドに上がったのは新助っ人のダーウィンゾン・ヘルナンデス投手。離脱したリバン・モイネロ投手の代役として緊急補強し、この日1軍に初登録された左腕がNPBでの初登板。ただ“前評判”通りの大荒れの投球となった。

 先頭のポランコに対して制球が定まらずボールが先行すると、3ボール1ストライクの5球目を右翼スタンドに運ばれた。続く山口は見逃し三振に仕留めたものの、次の岡には四球を与え、2死一塁でブロッソーには死球。代打の茶谷には中前適時打を浴び、藤原にも左前打を許したところで降板に。なんとか甲斐野央投手が代打の角中を空振り三振に仕留めて窮地を凌いだ。

 加入当初からボールの強さはあれど、制球の荒さを指摘されていたヘルナンデス。2/3を投げて3安打1四球1死球で2失点となったこの日の投球は、左腕の特徴が詰まっていたとも言える。デビュー戦となったヘルナンデスを、斉藤和巳投手コーチはどう評価したのか。試合後に話を聞いた。

 制球面の問題は首脳陣も織り込み済みだった。斉藤和コーチも「荒れるのはもう初めからわかっていること。日本に来て初めての試合なんで、それをどう評価するかというのはなかなか難しい。ストライクがなかなか入らない、コントロールはそんなにないっていうのはわかっていること。それを今後どうするかっていうのを、どう考えるか」と語る。

 まだ初登板ということで緊張もあったはず。貴重なパワー型のリリーフ左腕だけに、1試合だけで判断するのも酷だと、斉藤和コーチは言う。「1試合で判断するのもかわいそうだと思う。ただ、それは俺が判断することじゃないから。今日の結果だけ見るとなかなか厳しいものがもしかしたらあるかもしれないけど、その1試合で判断するのかっていうところも個人的にはある」。判断を下すのは藤本博史監督だとした上で、あと数試合、見極めるべき、という考えを示した。

 ある意味、衝撃的なデビューとなってしまったヘルナンデス。ホークスを救う救世主となるか、それとも……。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)