2試合を投げ防御率0.71…23日のリーグ戦再開の初戦に有原が先発へ
2試合ではあるが、信頼を得るには十分な内容だった。ソフトバンクは20日、本拠地PayPayドームで先発投手陣が練習を行った。リーグ戦再開初戦となる23日のオリックス戦は、有原航平投手に先発が託される。有原自身も「(オリックス打線の印象は)本当に素晴らしいと思いますし、ホームランも出ている。繋がりというか、無駄な走者を出さないように」と心境を語る。
有原は今季2試合に登板して1勝0敗、防御率0.71。6月6日のDeNA戦(同)で今季初先発すると、6回2/3を投げて1失点(自責はゼロ)。13日のヤクルト戦(神宮)では6回1失点で、ホークスでの初勝利を挙げた。まだ登板は2試合ではあるが「点数的に最小失点で抑えられた。もう少しイニングが投げられたらなという思いはあります」と振り返る。パ・リーグとの対戦は、レギュラーシーズンでは今季初だ。
大関友久投手が体調不良、藤井皓哉投手は「左内腹斜筋の肉離れ」で離脱中。石川柊太投手もファームでの再調整が決まるなど、開幕からローテーションを守ってきた面々に少しずつ変化が表れている。交流戦が終わり4日間、試合がないこのタイミング。ローテーションを再編するには絶好の機会で、首脳陣は再びカードのアタマを有原に託すことにした。
斎藤学投手コーチは、有原に金曜日を託した理由をこう語る。「安定しているし、ピッチングを“知っている”という感じを受ける。ゲームを作る、そういうものには信頼を置いて、任せようかなと」。また、カードの初戦にしっかりとゲームを作ることで、2戦目以降を戦うチームにも与えてくれる“相乗効果”があるという。
「カードのアタマなので。勝つか負けるかはもう結果なので仕方ないところもありますけど、やっぱり(がっぷり)“四つ”に組んで試合をやれる。そういう状態をチームとしても作っていければ、他に投げる投手もそういう気持ちになりやすい。そういうものが先頭に立つ人には求められるところだと思うんですね。大関がこういう状態なので、今は有原にお願いする形になる」
ゲームメークの能力に長けているからこそ、チーム全体のモチベーションも考えて、有原に初戦を任せたと明かした。「飛び飛びの日程もあるので、その辺の兼ね合いもある。大きく崩れることはないですし」と斎藤学コーチ。首脳陣からの信頼に、有原も「カードのアタマを投げさせてもらっていますし、そこは粋に感じて頑張りたいと思います」と力強く話した。
また、斎藤学コーチは「大関に関しては(復帰の)メドは立っている」という。すでに2軍戦で実戦復帰を果たしているが「今度が最終のテストじゃないですけど、やっぱり熱が高かったので、あまり無理はさせたくない。故障につながることだけは絶対にしてはいけない」と慎重な姿勢。「本人は70、80球でいいと言っている。4回、球数によっては5回ですね」と、このメドをクリアできれば1軍に戻ってくる見込みだ。
ここからは夏も本番を迎えていく。ローテーションを守ってくれている42歳の和田毅投手にも「(和田)毅に負担をかけすぎている。オールスターまで頑張ってくれとお願いしてあります」と、斎藤学コーチは感謝した。時期を考えても、投手陣が一丸となって乗り越えるしかない。その中心を今、有原に担ってもらう。
(竹村岳 / Gaku Takemura)