【取材こぼれ話】谷川原健太が抱えたセロリの行方…野菜を手にドームを後にした真相は?

ソフトバンク・谷川原健太(右)と的山哲也バッテリーコーチ【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・谷川原健太(右)と的山哲也バッテリーコーチ【写真:荒川祐史】

セロリは「的山コーチからもらいました」…経緯とともに明かした“タレコミ”

 筆者の個人的な思いなのだが、選手の頑張りを届ける一方で、読んだ人が「フフフ」と笑ってしまう記事を書いてみたいと思っていた。記事にするようなことではないかもしれないが、温かい目で最後まで読んでいただければと思う。

 5月21日の出来事だった。谷川原健太捕手が西武戦(PayPayドーム)の試合後、袋に入ったセロリを抱えて帰っていった。鷹フルのツイッターで【プチ情報】としてツイートすると、ファンからも反響が大きかった。「的山(哲也バッテリー)コーチからもらいました」といい、ファンからも「その経緯が知りたい」「めちゃくちゃどうでもいい情報やけどほっこりした」「こういう話もっとほしい」との声が相次いだ。

 谷川原はなぜ、どんなやり取りの末にセロリを的山コーチからもらったのか。そして、そのセロリは、その後どうなったのか。本人に取材してみた。

「差し入れかなにかで、段ボールに2つ(セロリが)入っていて。拓也(甲斐)さんと僕に『持ってけ』って。ちょうど2つくらい残っていたので」

 2022年11月に結婚したことを公表した。帰宅すると、妻と「マヨネーズで食べました」と、しっかりいただいたという。22日が北海道への移動日だっただけに「すぐに遠征だったので、僕も食べて、あとは妻に託しました」と自分だけで全ては食べきれなかったよう。匂いが独特な食材だが「全然嫌いじゃないです。普段あまり食べないので。美味しかったですよ」と笑って教えてくれた。

 的山コーチから差し入れをもらった経験は「2軍の時にもたくさんもらいました」と、セロリ以外にもあるそう。そして谷川原は「知り合いが多いのかわからないですけど、いろいろくれたりしますね。大樹(野村)は素麺をもらったりしていましたよ」。捕手以外にも、的山コーチは差し入れを分けているそうだ。

 野村大本人に聞いてみた。

「僕、めっちゃもらったことありますよ。素麺をめちゃくちゃもらいます。奥さんも素麺が好きなんで、めっちゃ食べてます。『大樹、素麺いるか?』って。奥さんも『的山コーチは素麺の“職人”か何かなの?』と言うくらい。『違う違う(笑)』って言っています」

 愛妻が“素麺職人”と表現するほど、頻繁にもらっているようだ。取材をしたのは、6月10日の巨人戦の試合前だったが「一昨日(8日)ももらいました」という。ファームでのコーチ歴も長いだけに「質問とかもどんどんしたり、自分が気になったことはすぐに聞けるコーチなので。すごく頼もしいです」と話す。谷川原も野村大も、親しみやすさを感じていた。

 取材をしていて面白かったのが、的山コーチから谷川原が言われた「(セロリ)持ってけ」と、野村大が言われた「大樹、素麺いるか?」を、2人とも言われた瞬間の雰囲気を再現しようと、声を低くして話していたこと。ちなみに谷川原に好きな野菜を聞くと、挙げたのはレンコンとカボチャ。「(妻は)焼き野菜とか、サラダに入れてくれたりします」という返事から、“谷川原家”の食卓がイメージできて、また笑ってしまった。

(竹村岳 / Gaku Takemura)