藤井皓哉が「左内腹斜筋の肉離れ」で戦線離脱…代役候補として挙がった名前は
戦線離脱で、先発ローテーションの再編を強いられることになった。ソフトバンクは11日の巨人戦(PayPayドーム)に2-4で敗戦した。それ以上に痛いのが、先発した藤井皓哉投手が「左内腹斜筋の肉離れ」で離脱を余儀なくされたことだ。首脳陣の言葉から、今後のローテーションやリリーフ陣の起用を紐解いていく。
藤井は3回を投げ、1安打無失点。直球にも力があり、4三振を奪うなど相手先発の菅野とも堂々と投げ合っていた。異変が起きたのは、1死一塁で坂本を迎えたところだという。3回はなんとか抑えたものの、4回からはリリーフ陣のバトンを託した。試合後、球団は「左内腹斜筋の肉離れ」と診断されたことを発表。競技復帰までは4〜5週間はかかる見込みだ。
藤本博史監督は「投げられる状態じゃなかったから。次回は無理でしょう」と話していた。来週は敵地でヤクルト3連戦、阪神3連戦が待ち受けている。齋藤学投手コーチは「さっき本人とも話をした。現状で痛みはないというんですけど『ちゃんと治して、ちゃんと立ち上げよう』という話をしました。再発もしやすい箇所ですから。オールスターより後かなというくらいの感じ」と藤井の状態を代弁した。
代役を立てなければならない。齋藤投手コーチは「現状、1番調子がいいのはジュニアというのはわかっている」と真っ先にカーター・スチュワート投手の名前を挙げた。今季はウエスタン・リーグで4試合に投げて0勝0敗、防御率1.17の好成績を残している。10日の中日2軍戦(ナゴヤ球場)でも7回1失点と好投したばかりだ。田上奏大投手の名前も挙げつつも「今のところはジュニアが1番。今が彼のベストの状態だというのは多方面から報告はきている」と続けた。
もちろん「うまくやりたいですけど、正直わからないです」と検討の領域は出ていないだろう。ブルペンデーとして乗り切る可能性も「あります」と認める。交流戦が終われば4日間、試合がないだけに「そこはまだ、交流戦もあと1週間なので、なんとか乗り切って、もう一回立て直すところに入りたいとは思っています」と話す。日程もうまく使いながら、シーズン中盤を乗り切っていかなければならない。
「火曜日の有原と、今度の板東がどんなピッチングをしてくれるのかで、いい方向にいくかもしれないですし。それは投げてみないとわからないので」
開幕投手を務めた大関友久投手は体調不良で戦線離脱となった。すでに筑後で練習を再開しているものの「あれだけの高熱が出したので、無理はさせたくない。ちゃんと調整をした上であげたい」と慎重な姿勢でいる。続けて「投げさせますよ」と、今後は2軍戦での登板が決定的だ。今季9試合に登板して4勝4敗、防御率2.21。開幕から先発陣を支えてきた左腕の復帰には、まだ少し時間がかかる。
この日、4番手で1回2/3を無失点だった武田翔太投手を先発に戻すことは、やんわりと否定した。「力いっぱい投げて、ちょっと吹っ切れた感があると思う。あれを1イニングずつ伸ばしていくのがベストだと思うんですけど、もうちょっと時間がかかると思うし、中継ぎもいっぱいっぱいですから」と説明。今はリリーフとして、苦しいブルペンを助けてもらう。
また、8試合連続無失点だった松本裕樹投手が特例2023で登録抹消となった。「大事なところを投げていた。それも(代役を)決めないといけない」と頭を悩ませている。守護神のロベルト・オスナ投手も、9回に丸に8号ソロを浴びて今季初失点。ホークスの総力を持ってして、この苦境を乗り切らなければならない。
(竹村岳 / Gaku Takemura)