必ず目に入るバックスクリーンの成績「焦りあった」 打率.100だった正木智也の本音

ソフトバンク・正木智也【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・正木智也【写真:藤浦一都】

巨人とのオープン戦で1-5で敗戦…正木智也が9回に代打で右前打

 ソフトバンクは16日、巨人とのオープン戦(PayPayドーム)で1-5で敗れた。9回1死に代打で出場した正木智也外野手が右前打を放ち「ずっと(ヒットが)出ていなくて、感じは悪くなかったんですけど。ほっとした部分もありましたし、次につながるかなと思います」と胸をなで下ろした。

 春季キャンプでは藤本監督からMVPに指名された。しかし、オープン戦に入ると、この日の試合前時点で打率.100。「打席の中で打つべき球を打つとかはできていたと思いますけど、シンプルに開きが早かったり。自分に原因があったので、打席の中の対応というのはあっていたと思うんですけど。もう少し突き詰めていきたい」と分析する。なかなか結果につながらなくとも、前だけを見てきた。

 特に、PayPayドームではバックスクリーンに自身の成績が映る。背けたくなる数字だとしても「目に入るので、どうしても気になりますね。焦りもあったりして、それで力みとかにつながったのかなと思います」。競争の中にいるだけに、結果が最大のアピールになることはわかっている。トンネルを抜け出したいと思っていたところで、練習前に声をかけてくれたのが森ヘッドコーチだった。

「森ヘッドからお話をされて、そういうのは気にしないで。自分のバッティングだけを。数字は気にしないで自分のバッティングをしろって言われたので」

 背中を押してもらった。森ヘッドコーチも「気にはなるけど、気にせんで思い切ってやりなさい、と。絶対結果は気になるやん。(競争の)ボーダーラインにいるんだから。それを気にして、結果にこだわって凡打するよりは開き直ってやりなさいと言いました」と思いを明かす。結果を求めるあまり、自分を見失うことだけはしてほしくなかった。

 チームには柳田悠岐外野手を筆頭に近藤健介外野手や栗原陵矢外野手ら、左打者がずらりと揃う。だからこそ右打者の存在が、より鍵を握っている。正木自身も「そこはチャンスだと思っている。チームとしても右打者が出てこないといけないですし、自分が食い込んでいけるように」と力を込める。森ヘッドも「去年からずっと言っている。野村勇が離脱した中で、正木になんとか一本立ちをしてもらいたい」と期待を込めた。

 17日のDeNA戦から、藤本監督は「本番モード」と表現している。WBCに参加している4選手が帰ってくるまで、まだまだアピールのチャンスは残っている。「結果を求めていきたいですし、自分のバッティングをすることをまず第一にやっていきたいです」と意気込んだ。確かな目標だけを胸に、ラストスパートをかけていく。

(竹村岳 / Gaku Takemura)