小川4軍監督が語るイメージ「2軍と3軍ほどの違いはないと思う」
ソフトバンクで今季新設された4軍が7日、九州共立大と初の対外試合を行い、9-3で4軍としての初勝利を収めた。4回に1点を先制されたが、7回に中村宜聖外野手の2ランで逆転。8回には石塚綜一郎捕手にも本塁打が飛び出した。投手陣は7投手の継投でリードを守り、プロ入り後初登板となった育成ドラフト1巡目ルーキーの赤羽蓮投手が1回無失点で4軍初の勝利投手となった。
試合後に「多少はホッとしたよ」と笑みを浮かべたのは小川史4軍監督だ。NPB史上初めて創設された4軍の初陣となったが、指揮官は「今日は申し訳ないけど、まだ初陣と言う感じはなかったんだよね。まだ3軍と4軍で分かれていないから」と言う。
この日のメンバーは主に筑後でキャンプを過ごしたC組の選手たち。既に先週末、鹿児島県で開催されている『おいどんカップ』に参加し、2試合を戦った。鹿児島遠征は「3軍戦」として行われ、今回は「4軍戦」としての位置付け。ただ、出場した選手はほとんど変わらず、変わったのは首脳陣だけだった。
このように3軍と4軍の明確な区分についてはまだ探り探りだが、小川4軍監督によると、“軍分け”は3月末頃になるのではないかという。4軍は3月25日から佐伯球場で大分B‐リングスとの3連戦が組まれ、3軍も同24日からタマスタ筑後で火の国サラマンダーズと3連戦を戦う。人数不足も心配されるが、双方で試合を組まれているこのタイミングから3軍と4軍が独立して稼働することになりそうだ。
小川4軍監督は「2軍と3軍ほどの違いはないと思う。3軍A、Bみたいなイメージかな」と、現状では大きく区別するものではないとイメージする。3軍と4軍の首脳陣で上手く連携を図りながら、練習と試合のバランスを取っていくことになりそうだ。
この試合は赤羽のほかにも、山下恭吾内野手や盛島稜大捕手といった高卒育成ルーキーも出場した。1週間ほど前に高校を卒業したばかりの1年目の選手たちがこの時期に既に対外試合で経験を積めるのは、4軍制を敷くことで可能となるメリットの1つだろう。「盛島も落ち着いていたし、山下も赤羽も良かった」とルーキーの堂々たる姿に小川4軍監督も目を細めていた。
選手たちからは「練習でやってきたことをすぐに試合で試せるのはいい」「試合でしか学べないこともある」などの声が聞かれる一方で「フォーム固めを行っている時などは試合より練習で投げ込みたい」との不安も……。今季は3軍、4軍併せて230試合程度の開催が予定されている。双方でバランスを保ちながら、若鷹が成長するためによりよい環境に。新たな取り組みである4軍制にも注目だ。
(上杉あずさ / Azusa Uesugi)