「数年したらメジャー」と球団内でも話題 “強烈過ぎる”ポテンシャルの育成選手

ソフトバンクのホセ・オスーナ【写真:上杉あずさ】
ソフトバンクのホセ・オスーナ【写真:上杉あずさ】

今季加入したドミニカ共和国出身の15歳・オスーナは強打、強肩の外野手

 とてつもない選手になるかもしれない。そんな壮大なスケールの大きさを感じさせる育成外国人選手が筑後でベールを脱いだ。ドミニカ共和国出身のホセ・オスーナ外野手。弱冠15歳という若さで来日した、メジャー球団も大きな関心を寄せていたという“金の卵”だ。

 長距離系のパワーヒッターで、見るからに高いポテンシャルの持ち主だが、何より驚きなのがその年齢。球団史上最年少での入団で、日本で言えば、まだ高校1年生の世代。親元を離れて異国に飛び込むというのは、並の覚悟で出来ることではない。

 だが、当のオスーナは「特に不安はなかったです。ホークスからオファーを貰った時、家族がすごく喜んでくれて。スカウトからも日本に行ったらすごく成長できるよと言ってもらって。自分も野球選手として上手くなりたいと思っていたので、日本に行くことを決めました」と笑顔で話す。

 背番号「173」を背負い、今春は筑後で若鷹たちと初めての春季キャンプに臨んでいる。環境への適応力の高さも見せる。首脳陣やチームメート、ファン、メディアとも積極的にコミュニケーションを取る。人懐っこくて“可愛らしい”印象を与えるオスーナだが、バットを握ったり守備に就いたりすると、“可愛げのない”強烈なプレーを見せる。

 パンチ力あるフルスイング、飛距離、守備では肩の強さも強烈なインパクトを残す。首脳陣、選手らもオスーナのプレーに度々見とれ「まだ15歳だよな?」と感嘆の溜め息を漏らす。オスーナ自身も自負がある。「他の人たちより優れている部分だと思うので、その才能をさらに磨いていけるように日本で一生懸命頑張って行きたい」と胸を張る。

 たびたび「日本で頑張りたい」という言葉を繰り返す。「みんなすごくレベルの高い選手たちで、バッティングの力強さやフィールディング、いろんな部分においてレベルが高い選手が多いなと思っています」とチームメートに刺激を受けているよう。「練習時間や量は日本の方がすごく多い。ドミニカもやる瞬間は集中してやっているけど、日本は長いし量も多いし、日本の方がたくさん練習して上手くなれると思った」とも言う。

 時折、別メニューでの練習になることもある。それは15歳という年齢を考慮してのことだ。屈強な肉体を誇るドミニカ共和国出身の選手といえど、15歳とあってまだまだ成長過程。負荷を掛け過ぎないよう配慮されながら、日本式のキャンプを一生懸命過ごしている。

「すごく満足しています。いろんなことをやっていますけど、これがこの先に繋がると信じています」とここまでのキャンプに充実感を示す。野球以外の面でも適応力の高さを感じさせ、来日後も特に困ったことはないそう。日本語も通訳やチームメートから積極的に習い、使える単語が増えている。

 食事面でも「たくさん試したけど、ご飯に缶詰のツナをかけて食べるのが美味しかった。あとスパゲティと日本で食べるアボカドが美味しかった」と笑う。スタッフや関係者からは「あと数年したら、メジャーに行くでしょ」「いずれ何十億稼ぐメジャーリーガーになるよ」との声もあがる。末恐ろしいポテンシャルを感じさせているオスーナのソフトバンクでの歩みを楽しみにしたい。

(上杉あずさ / Azusa Uesugi)