開幕投手は第3クールまでに「発表できないかも…」 藤本監督を悩ます熾烈な競争

ソフトバンク・藤本博史監督(左)【写真:竹村岳】
ソフトバンク・藤本博史監督(左)【写真:竹村岳】

「投手コーチとも話していて、第3クールまでに決まりますか…と」

 ソフトバンクは9日、春季キャンプ第2クールを終えた。シート打撃を行い、コートニー・ホーキンス外野手が左中間に本塁打を放った。練習後、取材に応じた藤本博史監督の一問一答は以下の通り。

――シート打撃が行われたが、監督のご感想は。
「率直な感想は、野手がよく打ちましたね。この1回目は投手有利なんですけど。投手が悪いんじゃなくて、野手の仕上がりが早いというか。そういう競争心を煽ってきたのが結果として出たのかなとは思いました」

――ホーキンスが本塁打。
「一発が出たね。その後も変化球をためて打てたのもよかったと思います」

――昨季の秋季キャンプの際も、日本向きなのではと話していた。
「今日フリーバッティングは全然だったので。ちょっと話をして、上体が投手の方に流れていると。すごく研究熱心でいろいろ聞きにくるので。自分でも工夫しながらやっているのかなと思います」

――近藤、嶺井、アストゥディーヨらもヒット。
「近藤君は打つでしょう。いい相乗効果というか、新戦力が加わって、競争を煽って、若い選手が結果も出ているし。いいと思います」

――ホーキンスは肩も強くて……。
「肩は強くないよ!」

――守備の可能性というのはどう考えている。
「ホーキンスのDHなんて考えていないですよ! 出るなら守ってもらいます」

――教えていたのはタイミングの部分。
「今日の練習中は上半身が投手よりに流れていたけど、ホームランを打った時は流れていなかった、その辺を意識していればいいんじゃないかという話です」

――周東佑京内野手にもヒット。
「周東もいいですね。WBCに出るから、しっかり調整できているんじゃないですか」

――藤井皓哉投手もカーブを生かした投球だった。
「今日のカーブもいいカーブだったし。スライダーは元々いいので。あとは長いイニングをどういうふうに投げていけるか。球自体もいい球を投げていましたよ。今日は投手が悪いから打たれたんじゃなくて、野手が投手を上回っただけ。みんないい球を投げてくれていましたよ」

――大関も登板したが、印象は。
「大関もいろいろ工夫しながらね。いい方向には出ているのかなと思います。投手の中では一番仕上がりは早いですね」

――藤井も大関も開幕投手候補だと思うが、仕上がりは。
「候補が今5、6人いますからね。投手コーチとも話していて、第3クールまでに決まりますか……と言われているので。決まらなくとも3人くらいには絞ってほしいと。第3クールが終わったら発表すると言っていたけど、発表できないかもわからないね。それくらいみんな、そこに照準を合わせてくれているので」

「実戦も次の休み明け(10日)からシート、シート、一日空いて、紅白でしょ。シートより紅白のところ、実戦をもう少し見た方がいいんじゃないですかとコーチからも言われているので。ひょっとしたら引き伸ばすかもしれないし、第3クールで決めるかもわからないし。できるだけ早く決めたいですよね」

「なかなか今のところ、レベルの高いところで競争してくれているので。去年なら千賀というエースがいましたから、すぐ決まったんですけど。今はレベルが、10が満点なら8.5くらいのところでやっている。ましてロッテに相性のいい投手が5人いるので。なかなか絞りづらいですね」

――中継ぎでは泉が153キロ。
「泉ね。150キロを超えていたし、いい球を投げていましたよ。力のある球。今日投げた投手は全員良かったんじゃないかな。松本はまだちょっと球威がね。本来の球威はきていないけど、そこは時間があるので。全員よかったですよ。野手も、ファーストストライクをしっかりと打ってくれということだったから。みんなそれができていたし。よかったと思います」

――第2クールを終えた。
「今日が(屋外で)できたというのがね。今日は雨予報だったので。シート打撃を早めに先にして、“おかわり”でバッティングしたけど。もともと雨の予報だったので。今日できたのはよかったですね」

――名前を挙げるなら、印象に残った選手は。
「このクールね……。誰やろ。あまり、飛び抜けてというのがいなかったですね。全体的によかった感じですね」

――オスナ投手がブルペン入りした。
「僕は見られなかったですけど(甲斐)拓也が受けたらしくて。どうやった? というと『まだ6分くらいですけどいいですね。球の強さがありますね』と言っていました」

――近藤も順調に調整中。
「任せています。WBCに行くので。WBCでも打席に立てるでしょうから。そこはあまり心配していないですし、やってくれるでしょう。柳田もそれに釣られて一生懸命にやっているので、体もいい状態で第2クールを終えたので。この2人は引っ張ってもらわないといけない選手なので。あとはもう怪我しないように実戦に入っていくだけですね」

(竹村岳 / Gaku Takemura)