監督・コーチ会議を終えて取材に応じた「目の色を変えてやってもらう」
ソフトバンクは24日、春季キャンプでA組入りするメンバーを発表した。投手21人、捕手4人、内野手9人、外野手9人の計43人。監督・コーチ会議を終えた藤本博史監督が取材に応じ、振り分けの意図や狙いを語った。一問一答は以下の通り。
(テレビ代表取材)
――組み分けのポイントは?
「新しい選手を見たいというところ。10人くらい新しい選手はA組に入っています」
――ルーキーでは大津亮介投手、生海外野手、松本晴投手の3選手がA組に。
「各コーチと話をした中で見てみたいところだったので。悩んで悩んで、3人入れて。その3人の代わりに外れた選手もいるんですけど。宮崎ではB組も行っているので、頻繁に入れ替えしていこうと思っています」
――ルーキーの魅力。
「生海に関しては打撃を見たい。大津と松本くんに関してはピッチングを斉藤和巳投手コーチが見てみたいということで。この3人は選ばせてもらいました」
――怪我明けの栗原陵矢外野手もA組。
「今年やってもらわないといけない選手ですから。それを確かめるために去年の秋のキャンプ、全快じゃないけど呼んでみてどれくらい動けるのかを確かめながら。もうOKサインが出たので。A組の方に呼んでみました」
――上林誠知外野手はB組。
「昨日リハビリを卒業したところなので。上林くんにもあとで電話しようと思っていますけど。一応、第3クールの終わりから紅白戦を、短いイニングになるかもしれないけど始めたいので。そこに調整してきてくれたらいいかなと」
――今年のテーマは?
「厳しくですね。厳しく、目の色を変えてやってもらわないと。最高の補強をしてくれたので。今年も世代交代ですけど、去年を経験した若い選手が去年で終わるんじゃなくて、もう一つ、ギアを上げて。その競争に割り込んできてもらいたいと思います」
――A組とB組の入れ替えは?
「これは小久保監督とも話し合っているんですけど、頻繁にやっていきたいと思います。例えば足の状態が悪いとか、このクール休ませてくださいとか。制限がついた場合はすぐに入れ替えていこうと思っています」
――意気込みをお願いします。
「優勝するしかないので。日本一になるしかないので。目標は優勝じゃなくて、優勝します。強い気持ちを持って1年間、チーム一丸となって戦っていきたいと思います」
(ペン囲み)
――既存の戦力よりも(新戦力)?
「既存の選手というか、本当は全員連れていきたいですよね。当然、いろんな選手を連れていきたかったんですけど。ある程度、わかっているところもあるし。上林は昨日リハビリを卒業したばかりで。2月1日から、あと1週間してみんなと一緒にやってまた怪我されるのも困るので。1年間いい状態で戦ってもらうのかを考えて、やっぱりBからスタートして。紅白戦に合わせてA組の方に合流してくれたらいいんじゃないかな」
「そういう選手は多いですよ、B組に。だから新しく入ってきた選手、10人くらいいるのかな。それを見てみたいというのが第一のアレ(目的)ですから。ただ悪かったら入れ替えますし、外国人といえど入れ替えます。それくらい厳しくやっていかないと。去年は若い選手が1軍で経験した意味がないので。そこはどんどん、BだからタラタラやっていたらA組には上げません。それくらい見ておいてくれと小久保(2軍)監督にもお願いしているので」
――新外国人選手の名前もA組に。キャンプインから揃う。
「(2月)1日から全員揃うという形ですね」
――入れ替えは頻繁に?
「WBCに選ばれている選手が3人いるので。この3人がいなくなったら、3人補充するのが当然だし。筑後に残っているメンバーもBの方に補充してもらえるのがあって。やりがいもできると思うしね。どんどん頻繁にやっていきたいと思います」
――かなりの大所帯に。
「いい補強をしていただいて、なかなか周りは競争じゃないんじゃないかというけど、競争は競争なので。実績のある選手はたくさんいるけど、2月1日に入ったら競争なので。初日から動きをね、若い選手の動きをどんどん。B組にいった選手でもそういう動きを見ていきたいと思いますよね」
――実戦も早めに?
「第3クールからシート打撃は入れます。第3クールの最後の日には紅白戦。紅白戦は5イニングを予定しているので。侍との2試合もあるし。試合はたくさんあるので。その辺までには見極められるんじゃないかと」
――リチャード内野手をA組に入れた選考については?
「いや~。一番検討したところですね。コーチとみんな話をしてね。リチャードなんかでも、例えば寝坊でもしたら一発でB組に行かせますよ。どこかの新聞で見たけど、コメントで『何も気にしません』ってね。そういう気持ちでやってくれたらいいんじゃないかな。ただやっぱり、同じようなことをしていたらすぐにB組に行かせます。そのくらいの覚悟を持ってやってもらいたいなと思います」
――この選手を呼びたかったけど、B組になってしまったという選手は?
「当然、野村(大)も増田も、海野ですね。この辺は去年ずっと1軍でやっていたので、呼んであげたかったですね」
――A組は43人いたが、減っていくイメージか。
「侍が終わったくらい(2月25日、26日)じゃないですか。絞っていくのは。中盤あたりから減らすのはないと思います」
――有原航平投手も先発候補?
「そうですね」
――映像も確認した?
「映像は見ていないです。投げる方、肩とかは問題ないというので。もともとランニングは少ない選手だったらしいので。そこは、1クール、2クールくらいは外国人のところに、ガンケルとかのところに入れてやらそうかと。案外、米国に行ったらランニングよりもバイクですもんね。いきなり走って怪我されても困るので。外国人扱いじゃないけど、調整期間をあげてもいいと思っています」
――昨年は和田、石川らがB組スタートで調整を一任していたが今年はA組に。
「全員いきます。そういうふうに投手コーチから“宿題”はもらっているはずなので。2月1日から、みんなと同じようにアップして。投手練習して。その中で、ベテランと若手の差は出てくると思いますけど。その辺はある程度できるようにきてくださいとはお願いしているので。みんな、映像を見ていたらやってくれている感じですね」
――オープン戦への絞り込みは結果重視?
「当然結果も重視するけど、実績も重視になるし。本当にわからないです。誰がどこになるのか。近藤くんとかはWBCとかに行っても試合に出られると思いますけど、周東なんか行って足だけやったら実戦からも離れてしまうし。その辺も心配のところもあるし」
「先発投手でも千賀が抜けて、候補は12、13人。15人くらいいるのかな。じゃあ、誰が抜け出してくれるのかな。みんな横一線。どれくらい勝ってくれるのかわからない状態ですから。その辺でしっかり板東とか、森や藤井なんかも中継ぎから先発に替わるので。どれだけやってくれるのか。その辺はすごく楽しみですね」
――WBCに選出されている近藤、甲斐、周東は調整を任せるのか。
「そこは仕方ないですね。(合宿に参加すれば)こっちにいないわけですから。練習はしっかりやってもらいますよ。WBC組のメンバーでも特別扱いしません。2月1日からみんなと同じ練習をしてもらいます」
――2月1日に投手が同じアップをしてもらうというのは、斉藤和巳投手コーチの意向?
「聞いていない。今、決まったから言っただけ。初日はいろいろ測るから。午前中は体力作り。キャンプの最初が5勤なので。例年になく長いので。いつもなら3勤でしたけど。ある程度のメリハリをつけてね。その中でアップとか、全体練習は普通に入ってもらわないと困りますよね」
――自主トレでポジションへの意欲を見せる選手が多いが。
「全部激しくなるんじゃないかな。できれば複数ポジションできるならいいんじゃないかな。栗原ならサードとファースト。中村晃ならファースト、レフト、ライトとか。野村勇ならショート以外全部とか。そういうふうにポジションやっておけばレギュラーは取りやすいんじゃないかな」
「一つのポジションにこだわるのは今宮くらいじゃないですか。去年も今宮に『サードもやれよ』と言ったら『嫌です』って言われたからね。ショート一本でいきたいですよ、それは選手の意思ですからね。去年は貫いてキャリアハイを出したわけだから。今年もショート一本でいくだろうし。それを脅かす、野村勇とか。そういう選手が出てきたら面白いんじゃないですか」
――開幕投手はどの段階ではっきりさせたい?
「コーチが言うのはバラバラですね。僕の言うこともバラバラやし。誰かなって。みんながこれっていうのが出てこないですからね。去年なら千賀。(今は)東浜って声もあるし、和田って声もあるし、和田は『嫌』って言うしね。大関なんかはやるっていう意識してやってくれているし。そういうのはどんどん意識してやってくれたら」
――いつまでに決めたい?
「キャンプの中日(なかび)までは決めたいですね」
――B組を監督が視察する可能性は?
「俺がチェックするよりも小久保監督がチェックしていたらいつでも話はできるので。休みでも話はできるし。今回、リチャードを推薦してくれたのも小久保監督だから。リチャードも粋に感じてやってもらわないといけないと思うし」
「本当にいい意見の交換ができていると思いますよ。コーチ陣もそうだし、僕と小久保監督もそうだし、小久保監督と(森)ヘッドコーチもそうだし。そういういい意見の交換ができて、このメンバーが選べたんじゃないかなと思います」
――城島健司会長付特別アドバイザーは参加するのか。
「城島は入っていない。釣り行っているんじゃないですか(笑)」
――初日から来ない?
「わからない。でも野村勇とか、あの辺の右打者を指導してくれる。どちらかというと、今年のホークスの課題は先発投手の確率と右打者の成長ですから。そういう意味では城島のバッティングが合えばね、野村勇なんかはチャンスあるんじゃないかと思いますけどね」
――2月1日からある程度、厳しく練習するのか。
「5勤なので。初日は軽く。今宮選手会長から『キャンプは2日からですか?』とか言って。西武は1週間遅れてやるとかいうからね。どうしてもキャンプは土日を休むわけにはいかないのでね。お客さんもたくさんきてくれるしね」
「そういう意味では今回は5勤になったんですけど。初日は軽く。2日から4日は普通に、5日は軽く。それで終わろうかなと。行事も入ってくるので、色々ね。選手をいい状態にして、第2クールに入れるようにしてあげたいなと思います」
(竹村岳 / Gaku Takemura)