渡邉陸が侍J捕手に叩きつける挑戦状 正捕手獲りへ「甲斐さんの次が出てこないと」

自主トレで汗を流すソフトバンク・渡邉陸【写真:編集部】
自主トレで汗を流すソフトバンク・渡邉陸【写真:編集部】

掲げる60試合以上出場「キャッチャーとして、レギュラーを取れるように」

 ソフトバンクの渡邉陸捕手が10日、正捕手である甲斐拓也捕手へ挑戦状を叩きつけた。中村晃外野手らと福岡市内で行う自主トレを報道陣に公開。プロ5年目となるシーズンに向けて「今シーズンは60試合以上出場して、リーグ優勝、日本一になれるように頑張りたいと思います。キャッチャーとして、レギュラーを取れるようにと思ってやっています」と息巻いた。

 昨季はプロ初スタメンだった5月28日の広島戦でプロ初安打初本塁打を含む2打席連続弾、4打数3安打5打点と衝撃的な活躍を見せた。シーズンを通じて20試合の出場だったが、33打数9安打で打率.273、3本塁打9打点の成績を残した。

 ソフトバンクといえば、正捕手にはWBCに出場する侍ジャパンのメンバーでもある甲斐が君臨。チームでの信頼も厚く、その座を奪うことは容易くはない。その一方で“ポスト甲斐”の台頭も課題となる。その候補の1人が、この渡邉陸。守備面にはまだ粗さが残るが、その打力はやはり魅力的だ。

「5年目なんで、大学卒業1年目というのもありますし、やっぱり1軍に定着しないといけないなって思います。甲斐さんの次っていうところがやっぱり早く出てこないと(チームも)強くならないと思うので、今までで一番いい年にしたいなと思います」

 渡邉陸も己にかかる期待を理解している。「バッティングで頭ひとつ抜けるようにアピールしたい」。守備面で甲斐と対等となるのは至難の業。違いを生み出すとすれば、打撃面になる。自主トレでも「よりシンプルに打つというか、無駄な動きをなくして打つというところをテーマにやっています。ミスショットをなくしてできるだけ多く芯で捉え、いい打球を打つようにしている」と打力を磨いている。

 もちろん守備面での練習もおろそかにはしておらず「キャンプでやってきたことを今も継続してやっています」という。今季プロ5年目。同い年の選手たちが大卒ルーキーとしてプロ入りし、ホークスにも吉田賢吾捕手(桐蔭横浜大)という同学年の捕手が加わった。真価が問われる2023年。渡邉陸は甲斐を脅かす存在となれるか。

(取材・米多祐樹 / Yuki Yoneda)