7勝10敗でも3000万円増 三笠杉彦GMが語った石川柊太の“プラス査定”の理由

契約更改交渉に臨んだソフトバンク・石川柊太【写真:藤浦一都】
契約更改交渉に臨んだソフトバンク・石川柊太【写真:藤浦一都】

「先発のローテを守って、イニングイーターとして活躍してくれた」

 ソフトバンクの石川柊太投手が22日、本拠地PayPayドーム内の球団事務所で契約更改交渉を行い、今季から3000万円アップの年俸1億5000万円(金額は推定)でサインした。今季は23試合に先発して7勝10敗と3つ負け越し、防御率3.37だったものの、アップ査定となった理由を、三笠杉彦GMが語った。

 2013年の育成ドラフト1位で創価大から入団し、9年目の今季は開幕ローテ入り。3度の出場選手登録抹消こそあったものの、23試合に先発して千賀滉大投手に次ぐ136回1/3を投げた。好投しても援護に恵まれない試合もあって黒星が先行し、2年連続で2桁勝利はならなかった。

 ほぼ1年間ローテを守り、23試合に先発した一方で、黒星が先行しており、評価が難しいところだった。三笠GMはまず「先発のローテを守って、イニングイーターとして活躍してくれた。勝ち負けに関しては7勝10敗で負け越していますけど、イニングを投げて、防御率も3点台を残している」と説明。1年間、先発として投げ抜いたところを評価したという。

 勝敗に関しては味方打線の兼ね合いにより、投手だけではコントロールできない。現に石川は今季、6回以上で自責点3以内のクオリティスタートを達成しながらも、白星がつかなかった試合が6試合あり、うち7回以上で自責点2以内のハイクオリティスタートを達成した試合で3敗を喫している。確かに崩れる試合もあったが、勝敗に関しては不運なところもあったといえる。

 また、石川は11勝をマークした2020年から3年続けて先発ローテを守っている。球団はこうした“継続性”も評価しており、三笠GMも「基本は今年のベースですけど、それを続けてくれているのも評価のポイント。来季もやってくれることを見越しての評価でもある」としている。主力として継続的に活躍を続けていれば、評価基準は上がっていく。その点は他の選手にも共通して言えることのようだ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)