野村勇は1300万円の大幅増「しっかり評価してくれた」
ソフトバンクは24日、本拠地PayPayドーム内の球団事務所で契約更改交渉を行い、野村勇内野手、高橋純平投手、正木智也外野手、田浦文丸投手と来季の契約を結んだ。新人ながら10本塁打を放った野村勇は今季から1300万円アップの2500万円で契約を更改した。(金額は全て推定)
4選手の交渉後の会見でのコメント全文は以下の通り。
○野村勇内野手(1200万円→2500万円)
――サインは。
「はい、押しました」
――増減は。
「しっかり評価してくれて、上がりました」
――何%くらいアップ。
「まあまあ、倍くらい」
――初の契約更改でした。
「すごい緊張感ある雰囲気で、お金の話とか交渉とか、初めてだったので。少し緊張しました」
――球団からの話は。
「ホームラン10本打って、盗塁も10個。社会人から即戦力で獲って、期待通りの活躍をしてくれたと言っていただきました」
――時間は少し長かった印象です。
「ちょっと話をしていました」
――具体的にどんな話を。
「初めてだったので、査定のシステムだったり、今シーズンの振り返りだったりを確認しました」
――改めて1年目を振り返って。
「武器にしている長打力はプロの世界でも通用するなとは思いました。盗塁に関しては入る前はもっとできるかなと思っていたんですけど、10個しかできなかったので、そこは来年以降、今年の経験を生かしてもっと走れるように頑張りたいと思います」
――盗塁に関してすごいと思った選手は。
「盗塁だと周東さんが抜けていると思う。周東さんに追いつけるように、追い越せるように頑張りたいと思います」
――周東選手と具体的に話をしたり。
「どんな感じでスタートを切っているだったり、僕は1年目だったので、投手の特徴とか知らなかったんですけど、周東さんはけっこう代走で行く前にいろいろ情報を教えてくれて。それがあっての10個走れたのかなと思います」
――やっぱり細かい部分に関心を。
「細かい部分まで詰めて練習していかないと、プロの世界、試合では通用しないと思いました」
――お立ち台で独自のポーズを決めてみたり、プロ野球選手としての1年は。
「経験したことのないテレビカメラとかがあったり、テレビに出る機会が多いということで、少し緊張したんですけど、楽しい1年目にできたと思います」
――来季は外野にも挑戦。
「社会人のときに外野をやっていたので、少し練習して感覚が戻れば守れるかなという感覚です」
――内外野どちらを守りたい。
「自分の中ではどっちでも試合に出られたら。レギュラーを取るためには試合数、打席数を重ねてアピールしていかないといけないので。ポジション1つだと、チャンスも少なくなってくると思うので。いろんなポジションでチャンスをもらって、その中でレギュラーを取れたらと思います」
――数字の目標など。
「今年よりは走りたいので。具体的には難しいですね。盗塁は30個はしたいと思います」
――長打の方も。
「長打力は捨てず、確実性は上げたいと思っています」
――1月の自主トレは。
「松田さんの自主トレに参加させていただきます。宮崎で。シーズン中からいろいろベンチで話して、プロの世界だったり野球のことを教えてもらっていろいろと勉強になった。野球だけじゃなく、いろいろなことをこの自主トレで吸収して来年につなげていきたいと思います」
――松田選手は5番を野村勇選手に受け継いでほしいと。
「本当にすごくうれしかったですし、5番を着けたいと思っているので。5番が似合うような選手になりたいと思っています」
○高橋純平投手(2700万円→2100万円)
――サインは。
「はい。押しました」
――増減は。
「想像通りというか、それくらいです」
――球団からはどういった話を。
「今年は1軍登板はなかったですけど、シーズン後半に調子が上がってきましたし、フェニックス・リーグと秋季キャンプに参加させてもらって。トータルとしたらいい感じで終われた。ちょっと大袈裟に言ってもらって、来季の開幕から勝ちパターンを狙えるんじゃないかという話をしていただいた。自分もそのつもりで頑張ります」
――リリーフ1本で。
「秋季キャンプで和巳さん(斉藤投手コーチ)とも話していたんですけど、どの場面でもいけるように、ロングでも、1イニングでも打者1人でも、100%でいけるように準備してくれといわれたので。自分もそのつもりでいます」
――今シーズンを振り返って。
「チームは今年かなり面白い試合をしている中で、自分は上に上がっていなかったので。悔しかったり、試合を見ないようにしたりもしていたんですけど、来年はそういうことがないように。最後、1試合勝つか負けるかというところに、自分も参戦できるようにしたいと思いました」
――後半につかんだ手応え。
「手応えはもちろんありますし、シーズンでトータルして今年のシーズン中はまだ、自分が総合していい状態で1試合、1日を終わりたいという気持ちが強かった。それがゆえに、まだゲームでマウンドで投げている状態で、試合を振り返った時に自分がどう見られるかみたいなところまで考えてしまったときがあった。シーズン終盤、何がよくなったといったら、そういうところじゃなくて、考えすぎずに投げていったら、打者1人1人に集中していくという限定的なところでやり始めてよくなった」
――その考えに至ったキッカケ。
「場面もあると思うんです。ファームでも使っていただける場面が、終盤はいいところで投げさせてもらったので。さすがにそういうところだと余裕がないというか、打者を抑えることしか考えていないので。周りの環境が自分の思考をそうさせたところがあったので、それを自分でもできるように。次8年目でこんなこと言っていたら遅いんですけど、そうなれば結果も出ると思います」
――小久保2軍監督の存在は。
「監督が小久保さんだったから良かった面もたくさんあったと思います。悪かった時もかなり勇気づけられたというか、そこで『もう野球いいや』という気持ちにならなかったのは小久保さんのおかげ。(斉藤)和巳さんからは小久保さんに似たようなものを感じるときがあるので。そういう投手コーチがいるのは心強いと思っています」
――かけられた言葉は。
「キャンプでブルペンに入るたびに『自信を持って投げろ』と、後ろから言ってもらった。自分に足りないのはそういうところだと思うので。自分がちゃんと信用して腕を振ったら勝手にいい球がいっていると言ってもらっているので。それを自分が信じないといけないと思います」
――何か新たな取り組みは。
「新たな取り組みというよりは、本当にイチから野球に向き合った1年にしようというのが目標である。今年の秋、ある程度仕上げてきたというところは自分に足りないところでもあり、これから先ずっと必要になることなので。妥協しないでやって行きたい」
――1月の予定は。
「12月と1月は筑後で練習する予定です。リハビリだったり、本隊はどこかしら動いているので人は確実にいるし、どう考えてもホークスの施設は充実していると思うので。自分でやりたいと思います」
○正木智也外野手(1200万円→1300万円)
――サインは。
「はい、しました」
――増減は。
「今の年俸から100万円アップでした」
――球団からの評価は。
「まずコロナで主力がいない中で活躍してくれたことと、後半戦チームが苦しい中で、主に左投手ですけど、そこで結果を出したことは評価してくれました」
――初めての契約更改でした。
「思ったよりは緊張しなかったですし、思っていることもしっかり伝えられた。しっかりできたかなと思います」
――1年目のシーズンを振り返って。
「まず前半戦は全然通用しなくて、試行錯誤していく中で後半戦は、主に左ピッチャーで出させていただいて、そこで少しですけど、結果を出せたというのは自分の自信にもつながりました。自分のストロングポイントとして確立できたと思うので、そこは良かったと思います。あとは右投手に対してどう打つかっていうのが、来年レギュラー取れるかっていうところに繋がってくると思うので、左投手に強いというストロングポイントを消さないようにしながら、右投手をどうやって打つかにフォーカスしていきたいと思います」
――対右投手について考えていること。
「秋のキャンプで1つ、これは右ピッチャーを克服するからといって始めたわけではないですけど、ちょっと変えたところが秋のキャンプでハマり出して、そこから打撃練習の中でも、キャンプ中の試合の中でも、いい方向に出ることがあったので、そこを継続していけば、おのずと結果は出るかなと思います」
――その変えた点とは。
「本当に些細なことなんですけど、意識の問題でバットのヘッドの使い方というか、少しヘッドの重みを使わないで打っている部分、手の力だけで打っている部分があったので、バットの重さを使いながら。今までは思い切り振ってボールを飛ばしていたんですけど、秋のキャンプからは軽く振っているけど、思い切り振るよりボールが飛んでいる感覚が掴めた。その感覚を継続していきたいと思います」
――誰からの助言が。
「主に吉本打撃コーチから教えてもらって、それがハマったというか。その感覚が自分に合っているなと感じました」
――そのタイミングとしては。
「フェニックスが終わってから、秋のキャンプから取り組み始めて、すごく良かったので」
――一塁守備への手応えは。
「大学時代に少しやったことがあるだけで、なかなかできているとは言い難いですが、今年もCSでファーストで出していただいたりして、少し自信がつく場面もありましたし、本職は外野ですけど、ファーストでも出ることがレギュラーに近づく道だと思うので、外野だけじゃなくてファーストもできるようにしないとな、と改めて秋のキャンプを通じて思いました」
――プロ野球選手として1年を振り返って。
「週6の試合というのは体がキツいと思う場面が何回もありましたし、ずっとレギュラーで出ている人は本当に凄いと感じたので、体力も大事かなと思いましたし、1年間調子を維持することも本当に難しいなと感じたので。調子を落とさないことも大事ですけど、悪くなってからの戻し方も大事だなと思いました」
――来季の目標を。
「まずは春のキャンプ、練習試合でしっかりアピールして開幕スタメンを取ること。スタメンを取って、全試合レギュラーで出られるようにやっていきたい。数字的には2桁本塁打以上は打って、打率もある程度は残しながら、2割8分以上は残したいと思うので。打率を残しながらホームランも打てるというのを目標にしてやっているので、そこを目指してやっていきたいと思います」
――1月の自主トレの予定。
「自主トレは、今年は筑後でやろうと思っていて。自分の中でもやりたいことがあって。誰かにお願いするというよりは自分で考えてやるというのが大事かなと思ったので、今年は1人でやろうと思います」
○田浦文丸投手(960万円→960万円)
――サインはしましたか。
「はい」
――増減は。
「現状維持です」
――球団からの評価は。
「左というところで期待していると。来年は1年間通して投げられるようにと言われました」
――今季は4試合登板に終わった。
「開幕から1軍にいて、2か月くらいで4試合だったのが1番悔しいところ。その後も1軍に上がることがなかったので、すごい悔しいシーズンだったと思います」
――自分の課題は。
「改めてストレートのスピードだったり、左バッターに対しての引き出しだったりをもっと増やしていかないといけないと思いました」
――来季に向けて取り組んでいることは。
「ストレートのスピードだったり、強さだったりをもっと出していけるように取り組んでいます」
――小久保2軍監督や首脳陣からの言葉で印象に残っていることは。
「コーチと話している中で、最後のフェニックス・リーグですごく感覚を掴めてきたので、その点ではいい会話だったのかなと思います」
――具体的に良かった点は。
「少しですけどスピードが上がってきたのと、左バッターに対してインコースで空振りを取れたり。チェンジアップで三振を取れていたので、そのへんは良かったかなと思います」
――来季の数字の目標は。
「まずは1年間通してという中で、毎年言っていますけど、40試合投げられるようにしていきたいと思います」
――1月の予定は。
「今はまだ決まっていないです」
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)