「変わるしかない」杉山一樹が秋に示す覚悟 斉藤和巳コーチの助言で目指す覚醒

ソフトバンク・杉山一樹【写真:福谷佑介】
ソフトバンク・杉山一樹【写真:福谷佑介】

斉藤コーチから授けられた教えは「軸足で立って、投げ終わりも一本足で立つ」

 ソフトバンクの杉山一樹投手が一皮も二皮も剥けるべく、秋季キャンプを過ごしている。第1クール3日目となった5日は、初日から3日連続でブルペン入り。約90球を投げ、R&D部門による動作解析撮影も行い「変わるしかないので。変わるならこの秋しかないという覚悟でやりたいです」と口にした。

 今季は10試合に登板して1勝3敗、防御率6.80。開幕ローテ入りしながらも、課題の制球難が何度も顔を覗かせ、10試合、42回1/3で26個の四球を与えた。対戦打者に占める四球率は13.4%を記録し、これは40イニング以上投げた投手の中では、西武の今井達也投手に次いで悪い数字。四球から崩れるのが悪いパターンの典型だった。

 当然、杉山自身も悔しさ、忸怩たる思いを抱えている。「変わるのはこの時期しかない」と臨んだ秋のキャンプ。新たに就任した斉藤和巳1軍投手コーチのアドバイスも受けながら、ピッチングを変えようと、試行錯誤している。鼻炎で鼻水が出ようとも、鼻にティッシュを詰めてまで、ボールを投げ続けた。

 斉藤コーチからは「軸足で立って、投げ終わりも一本足で立つ。本当にシンプルなこと」を助言されているという。杉山は「もともと振り子のように足を上げて、そのままの勢いで投げていた。これでは爆発力はあるけど安定性はない。安定性を求めながら爆発力を落とさないように、和巳さんがアドバイスをくれた」。思い描くイメージに近いのは、斉藤コーチの現役時代の姿だ。

「和巳さんもどれだけリラックスするかという話をしてくれている。僕は力むことはすごく得意ですけど、それじゃ試合では投げられない。リラックスして投げられるようにしていきたい」。首脳陣の、ファンの期待に応えられなかった2022年シーズン。この悔しさを糧に、杉山が化ける姿を期待したい。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)