CSファイナル初戦を託された石川柊太　強みを思い出させた松田宣浩からの助言

京セラドームで前日練習を行ったソフトバンク・石川柊太【写真：福谷佑介】
京セラドームで前日練習を行ったソフトバンク・石川柊太【写真：福谷佑介】

石川はCSはキャリア初先発ながらポストシーズン合計8勝

　ソフトバンクは12日、敵地でオリックスと「パーソル クライマックスシリーズ パ」ファイナルステージ第1戦（京セラドーム）を戦う。リーグ優勝を奪われた宿敵へのリベンジマッチ。その第1ラウンドには、ポストシーズン8勝を誇る石川柊太投手が先発。球界を代表する右腕、オリックス・山本由伸投手と投げ合うことになる。

　石川は日本シリーズでの登板はあるが、意外にもクライマックスシリーズ（以下、CS）はキャリア初先発。CSでもこれまで中継ぎや第2先発などで登板してきた。ポストシーズンで合計8勝を挙げている石川は「ガムシャラに投げた結果がそう（8勝に）つながっているだけなので……。ただ、自分のやるべきことをやるだけというのを変える必要ないです」と静かに意気込みを語った。

　ファーストステージの第2戦で登板した大関友久投手の投球を見て「自分の中で懐かしさ、気づきがあった」という。2番手で登板した大関は1回1/3を無安打無失点と好救援。その姿に「吹っ切れるじゃないですけど、割り切ってやっていた」と自分が中継ぎや第2先発の立場で投げていた頃の感覚が思い起こされた。先のことを考えず、目の前の打者1人1人を抑えにかかる。先発する中で薄れていた感覚をもう一度、再認識した。

　“熱男”からの教えも生かす。石川といえば、ハイペースにボールを投げ込むテンポの良さが持ち味。だが、今季は「何かどこか雑になっているところがあった」という。それを気付かせてくれたのが、今季で退団する松田宣浩内野手だった。「中盤から終わりぐらい（の頃）ですかね、松田さんに『最近、テンポが遅い』って言われて……。ちゃんと自分らしさ、もう一回、見つめ直して出せればいいかなと思います」と語った。

　今季、石川は相手エースの山本とは3試合を投げ合い、チームは2勝1敗と勝ち越している。「もう素晴らしいピッチャーですし、こちらとしては挑戦者の気持ちでやる。山本くんが素晴らしいピッチングをしてくるのは、ほぼほぼ（間違いない）なので、自分がずっと入団してから沸々とエネルギーにしていた“何苦楚魂”というか、“育成上がり”という気持ちをもう一度ぶつければいいかなっていう気がします」。大事な初戦を託された右腕がホークスを勝利に導けるか。

（福谷佑介 / Yusuke Fukutani）