西武とのクライマックスシリーズで鍵を握る存在は? 藤本監督の一問一答全文

ソフトバンク・藤本博史監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・藤本博史監督【写真:藤浦一都】

「試合に勝つためには1番、2番の出塁がキーポイントになってくる」

 ソフトバンクは6日、本拠地PayPayドームで8日から始まる「パーソル クライマックスシリーズ パ」ファーストステージの西武戦に向けて全体練習を行った。この日はシート打撃を実施し、チームバッティングの確認などを行った。

 この日の藤本博史監督の一問一答全文は以下の通り。

――シートバッティングで改めて確認すること。
「もうそんな、シートバッティングやったからって急に良くなるとかそういうものはない。昨日も言ったように今年1年の課題っていうのは、チームバッティングというところの確実性を上げていかないといけないし。とりあえずは全員が全員じゃないけど、普通に打つ人もいるし、やっぱりやらなくちゃいけない人はそういうのを練習しとかなきゃいけないのかなと。エンドランとか、バント、右打ちというところの3つはできるだけ確率を上げてもらわないと。今年1年そういうところで苦労したところもあるんで、今日のシートバッティングでやる人は何人かいます」

――選手の気持ちの切り替えは。
「もう切り替えられていると思いますよ。もう10月2日の負けはみんな悔しい思いをしているんで、そこはもうしっかりと2日間休んで、昨日の練習からほぼ切り替えて、CSに向けて気持ちが変わってるんじゃないかなと思いますけどね」

――今宮選手はリーグ戦振り返ると。
「今宮ですか。よくやりましたよ。選手会長で、もう本当柳田と、キャプテンと2人でチームを引っ張ってくれたなと思うし、僕はバッティングコーチをやって今宮をずっと見てきた中でも、今年1年間が1番今宮にとっても充実していた1年だと思う。気持ちも変えずにね、どちらかってちょっと天邪鬼なところがあるんで。打てなかったらフォームも変えるとかバッティング変えるってあったけど、今年1年はずっと貫き通してくれましたね」

――ポストシーズンも期待。
「もう変えることはない。今のバッティングであれば、長いこと野球できるんじゃないかなと思いますけどね。まあ相手にとっても嫌らしさが出てきたんじゃないかなっていうのはすごく感じます。今まではどちらかというと、ホームランも打てるから振り回していて、もったいないなっていうところもあったけど、今年1年は追い込まれたらファウルで粘れるとか、そういう選球眼というところもついてきてるんじゃないかなと思う」

「あとはもう、チームバッティングは彼は上手いんでね。バントにしてもエンドランにしても右打ちにしても、全部できるんで。結局ああいう今宮みたいなタイプの選手が増えてこないと、これは柳町にしてもそうだし、三森にしてもそうだし、周東にしてもそうだし、やっぱり今宮レベルになってくれたら、チームの形っていうのはすごく良くなるんじゃないかなと思います」

――振り過ぎなくても長打になる。
「実際、今宮はそれが分かったんじゃないですか。今年ホームラン3本か4本打ったよね(実際は7本)。そんな振り回してないからね」

――ツボみたいなところがある。
「そうですね。回転で打つっていうか、気持ちはもうコンタクトを意識して、厳しいインコースに来たら、腰の回転でポンと入ってしまうっていうケースもある。(甲斐)拓也なんかでも、ここで今年初めてホームラン打った時も振り回していないから。拓也も後半そういう振り上げるっていうところが少しずつ良くなってきている。まだまだ振り上げてますけどね。拓也にしてもそこが課題だと思う」

「屈んでみたり、リラックス打法してみたりね。本人もいろいろ考えながらやってくれているんで、それが後半ずっとね、リラックス打法というか力感ないように見えるけど、あれで十分ボール飛んでいるわけですからね。振ってるわけでもないし、ああいうのが自分の中で分かってくれれば、もっと率が上がってると思う。拓也もやっぱりチームバッティングは課題ですよね」

「チームバッティングをしなくていいというのは柳田ぐらいじゃないですか。今の野球ってのは、日本の野球では特に、メジャーじゃないわけですから、走らない、打つだけでいい、投げるだけでいい、じゃないわけですから。やっぱり日本の野球はチームとしてやっていかないといけないのは、細かいところ。そういうところが今年1年の僕の思った中では課題ですね」

――グラシアルもバントしようとしていた。
「サインは出してませんよ。牧原(大)もセーフティやったけど、サイン出してない。あれは彼らが勝手にやっていること。あれは自分も生きようと思ってやってることなんで。あんまり最後の方はほぼサインは出していない。そういう足があって自分も生きようと思って(やっている)。ノーアウト一、二塁になって牧原(大)が3番に入って、調子いい牧原(大)にバントは勿体ないと思うし。そこで牧原大が打ってくれたら大量点になるわけだから」

「当然セオリーとしたら、次、柳田ですから1アウト二、三塁にはしたいですよ。でも牧原(大)だったらゲッツーもないし、おそらく僕はそういうところでバントは出していないと思います、今年1年に限ったら。調子が悪い時は別ですよ。難しいですね。送ったからといって得点になるわけじゃないしね。そこで打ってくれたらチームはワッてなるけど、点が入らなかったらシュンとなってしまいますからね」

――短期決戦でのブルペン起用でシーズンとの違いは。
「トーナメントのつもりでやろうと思ってるから、それこそ一人一殺じゃないけど、やっていこうかなと。当然ピッチングコーチからも、今のピッチャーで誰が状態いいとか、試合前にシミュレーションはやっているので、今状態いいのは誰ですよ、となったら、それをはめていかないと」

「7、8、9回は、ほぼ変えないつもりでいます。延長になった場合は打順によって先に誰が行くっていうのはあるかもわかんないけど、勝ってたら7、8、9回はもう松本、藤井、モイネロは変わりないと思う、今年に限ったらね。あとは先発投手がどこまで投げてくれるかですよね。5回で終わるんだったら、6回はみんなで行かないといけないし、そういうのは考えてやっていきたい」

「ただ、7、8、9回にも嘉弥真をつけるとかもある。その日の状態も当然あるわけですし、人間100%、0点で抑えることはできないわけですから。藤井でも防御率0点台、最後に1点台になったのかな、それでも1年間で1点台って素晴らしいピッチングだからね、本当もう各投手が自信にしてもらったらいいし。ただ、その日その日で状態というのがあるんで。力が入らない、おかしいなという時もあると思うし、そういうのはできるだけブルペンでわかったら連絡してもらって用意してもらうとかね。7回、8回、9回といえども、できるだけ1人でいってもらいたいけど、今日ちょっと悪いから不安だから誰か作っとくよ、というのはこれからやっていきたいなと思います」

――ロッテ戦の最後に投げた大関投手は。
「いや、まだ体力が戻ってないんですよ。確かにいいピッチングしたけど、3か月、4か月休んでるわけだからね。そこでやっぱり長いイニング、2イニング投げたら、1日空けないといけないとか。僕はピッチャーのことはあんまり、どれだけ体力使うのか分からないからからさ。僕らは野手だからずっと出ていて、疲れた疲れたって言うことができるわけだけど、ピッチャーは投げるからね。そこはやっぱり大関の場合は今年限っては慎重に使わないと。あの日も使う予定はなかったですからね、9回はね。それとまだ、どこまでできるかもわからない」

「先発で6勝やってくれて、前半チームを救ってくれた。それから病気になって復帰して、ほぼ2軍、3軍でちょこっとしか投げてないからね。こっちは左ピッチャーが重要ということで上げているわけですから、そこはなかなか使いづらいところありますよね。でも、CSは使いますよ。ワンポイントでも1イニングでも、そういうつもりでCSはやっていく。普段だったらワンポイントでは使わないです、もったいないから。やっぱり1イニング最低でもいってもらいたい。できたら2イニング、3イニング、今年に限ってはいってもらいたいというのはあるけど、CSはもう嘉弥真と大関で左はおそらく2人。笠谷がどうかわからないけど、とりあえず2人は必ず入ると思う。そこはワンポイントでも行ってもらうような形でいきたいと思います」

――ボールの力と体力とはまたちょっと違う。
「ちょっといろいろね、大関も今試してるところがあると思うんですよね。セット(ポジションに)入ったところの、涌井じゃないけど、ちょっと入れたり、角度をつけたりっていうのをいろいろ本人が自分でやっているみたいなんで。ちょっとその辺のセット入ったときのクセじゃないけど、なんかしっくりこないとかっていうのがあって、いろいろあるんですね、ピッチャーは。ピッチャーのことは分かりません」

――レイ投手は中継ぎで。
「分からない。今日(シートで)投げてみて、ですね。彼の場合は、球は本当に強いものを持っているんで、あとは何で先発を外れたかと言うたらクイックですからね。クイックができなかったら、二塁打になってしまいますから。フォアボールでもシングルヒットでも二塁打じゃないですか。それをファームに落としたのは、クイックを修正してくれと」

「1.35秒かかってるのを1.25秒でもいいから、1.25やったら1.2前半でやってくれってことでお願いして、今、1.25前後ぐらいかな。それでも走られますからね。あとはもう自分でセットに入ってすぐ投げるとか、ずっと長く持つとか、そういうのは自分のリズムやってくれたらいいわけであって、球自体は十分1軍のバッターに通用するんで。そこだけです。だからリリーフで行くのも難しいんですよ。イニングの頭から行って、走者一塁に出たら交代しないといけない。そういうのもありかなと思いますよ。球は通用するんでね、3人で終えれば、帰れますから」

――柳田選手の首は。
「もう治ってます。彼は天才ですから、すぐ治ります。怪我する前の状態がグッと上がってきたときだったから、本当心配したけどね。怪我しても本人は『行きます』って言ってくれて。痛かっただろうけど、そのまま維持してくれているんで。その痛みが取れてきて、今も状態いいと思いますよ」

――最後に三森くんの状態も上がってきた。
「三森の状態上がったっけ? ホームラン1本打っただけちゃうの。結局、ウチは1番、2番が打っている時は連勝してるんで。周東も後半ずっと悪かったからね。1番、2番のあの2人が打って、状態いい時っていうのは案外得点できている。当然足もしっかり使えるんでね。あの1番、2番がキーポイントじゃないですか。昨日は誰がキーポイントって、柳田と千賀と言いましたけど、試合に勝つためには1番、2番の出塁がキーポイントになってくるんじゃないかなと思います」

(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)