29日に楽天生命パークで行われた楽天戦に競り勝って、マジックを「2」としたソフトバンク。この試合でチームを勝利に導く2本の適時打を放ったのが選手会長の今宮健太内野手だ。初回に3点目を生む適時打を放つと、同点とされた5回には勝ち越しの適時打。これが決勝打になり、チームは2年ぶりのリーグ優勝に王手をかけた。
――2本とも今季続けているコンパクトな打ち方。
「特に今年に関しては瀧中くんから全く打ってなかったんで、絶対1本打ちたいなと。そういう気持ちが良かったのかなと思いますし、2本目はもうね、初球からもう思い切って勝負を仕掛けようかなと。なので、その結果が良かったかなと思います。ヒーローインタビューでも言ったように、もうすぐそこに優勝という文字があるんで、本当にそれを自分たちで掴み取るだけなんで、何とか勝って達成したいなと思います」
――昨日、松田選手が退団を発表。今宮選手は事前に聞いていた。
「はい、松田さんが落ちるときに、3人は言われたので。松田さんのいいところっていうのはやっぱり僕らが受け継いで、これからどんどんホークスの伝統としてやっていかなければいけないことだと思いますし、松田さんに残してもらったものは、数えきれないぐらいあると思うんで。ずっと言ってきていますけど、何とか熱男魂で優勝できるようにしたいです」
――松田さんから受けた教えというのは。
「143試合っていう試合数がある中で、極端に言うと365日本当にいつも元気で、もう打てなくても自分のことだけに集中するんじゃなく、やっぱり周りに気を配って声を出すとか、そういった姿っていうのはなかなかできそうで、できないことなので。ああいう姿を見ているとやっぱりこういう人に育っていきたいなっていう思い、感じるところもあります。僕たちがあれだけ声を出して引っ張っていけるかといったら正直、無理なところはあるんで。でも、それ以外の面に関してはやっぱ、人として、プロ野球選手としてリスペクトめちゃめちゃしています」
――どんな声をかけられたのか。
「『今度はお前らが引っ張っていく番だから』というのは、3人言われました。そういった気持ちは、特に柳田さん、(中村)晃さん、僕っていうのが率先して、表現していけたらなっていうのは思っているんで。結果として、そういうふうな形で今来られていますので、チームが良い方向になったらいいなというのは思います」
――和田投手が、明石さんと松田さんに今年良かったって思ってもらうためには優勝しかない、と。
「もちろん、その通りです。健志さんも、引退試合で初めて涙を流した姿って見ましたし。いい形で去れるように、優勝してそういう形で送り出すことができればベストかなと。何とかその2人のためにも、ファンの皆さんのためにもしっかりと優勝できるように頑張ります」