ここ数試合、不本意な投球が続き苦しんでいた石川
14日に本拠地PayPayドームで行われた西武戦に6-1で快勝したソフトバンク。首位攻防3連戦3連勝となる白星を呼び込んだのは、先発の石川柊太投手の力投だった。
初回、2つの三振を奪って3者凡退に仕留めると、2回以降は安打こそ許しながら、失点は4回に栗山の適時打で許した1点のみ。次回登板が中5日になる予定のため、球数が100球を超えた7回2死一塁の場面で降板となったものの、6回2/3で8安打7奪三振1失点の好投で今季6勝目をマークした。
5勝目を挙げた8月23日の楽天戦で7回途中6失点で降板すると、その後の2試合は不本意な投球が続いていた。同31日のロッテ戦では5回で6四死球、9月7日の楽天戦も6回を投げて4四死球と制球に苦しんだ。ただ、この日はストライク先行で進めて1四球にまとめた。
試合後の言葉にも手応えが滲んだ。「真っ直ぐの指から離れた時の力の方向がしっかりホーム方向、ストライクゾーンに行くという感覚では凄く良かったですし、カットもカーブもフォークも、フォークは凄い良くて、これを続けていけたら今後プラスになるな、という登板になったんじゃないですかね」。復調のキッカケとなり得る登板になったようだ。
なにが投球を変えたのか。「メカニック的に言えば、体幹の角度だったりを重点的に変えた。腕が下がってしまって、そこがフォークがうまく落ちない理由、球速が出てこない理由だったので、前回の登板から修正してきた」。投球に入る際に体が三塁方向に倒れて入ることによって、腕が下がりすぎ、投球が崩れていた。体幹を立てるように修正したことによって、球速が戻り、フォークの落ちも良くなった。
シーズン中もより良い投球を目指して試行錯誤を繰り返してきた。「これ以上試すのがないくらいに試してきた」という中で、また新たに行き着いた感覚。この日の投球は「こういう感じで投げられるんだ、自分の中で可能性があるっていうので一安心しました」と、ホッとした表情を見せた。
次回は中5日で11連戦の最後となる20日の日本ハム戦に向かう。この日の投球の中でも手応えと共に反省点もあった。「今日出た感覚を、今日だけじゃなく次に繋がる方向性としていいものにできればいいなと、すごい手応えのある方のピッチングだったので良かったですね」。復調の兆しを見せた石川柊太。残り15試合。最後までチームのために腕を振る。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)