10失点大敗にあった光明 鷹・田中正義、剛腕復活を支えたリハビリ中の気付き

ソフトバンク・田中正義【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・田中正義【写真:藤浦一都】

「1軍で投げるのに相応しい人間なんだと、自分で思うというのが大事」

■オリックス 10ー2 ソフトバンク(14日・PayPayドーム)

 ソフトバンクは14日、本拠地PayPayドームでオリックスと対戦し、2-10で大敗した。先発の和田毅投手が4回途中6失点でKOされ、2番手の椎野新投手も4失点。投手陣が16被安打を浴びる中で、光ったのが今季初登板となった田中正義投手だった。

 10点ビハインドの6回だった。12日に1軍に昇格していた田中正が今季初めてマウンドに上がった。先頭の宗を135キロのフォークで中飛に打ち取ると、紅林への2球目にこの日最速タイとなる153キロをマーク。空振り三振に切ると、続くマッカーシーは153キロの真っ直ぐで2者連続三振。この日16安打を放ったオリックス打線を、投げた5投手でただ1人ノーヒットに封じた。

 今春のキャンプ、オープン戦でアピールを続け、開幕ローテ入りを内定させながら、開幕直前に右肩の違和感で離脱した。そこから一進一退が続き、なかなか復帰できず。離脱から約5か月を経て辿り着いた1軍登板に「かなり出遅れてしまい、今日までチームの力になれなかった。これから後半戦、チームの優勝争いに少しでも貢献できるように、全力で腕を振りたいです」と振り返った。

 リハビリ期間中に大きな気付きを得た。読書に耽ったり、様々な人にアドバイスを貰ったという田中正。その中で「自分で自分の事を信じきれるか、自分は1軍で投げるのに相応しい人間なんだというのを、しっかり自分で思うというのが大事かなっていうふうに、すごく感じました」と感じた。これまで高いポテンシャルを誇りながらも、己を信じ切れなかったが、「ようやくそれを自分で心から思えるようになった」という。

藤本監督も高評価「1イニング完璧に投げてくれましたよ。強い球を投げてる」