「まさかの本塁打」「周東しか捕れない」 藤本監督の試合後の一問一答全文

ソフトバンク・藤本博史監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・藤本博史監督【写真:藤浦一都】

前日苦言を呈したバッテリーの配球「甲斐はミーティング通りにやってくれている」

■ソフトバンク 5ー4 オリックス(13日・PayPayドーム)

 ソフトバンクは13日、本拠地PayPayドームでオリックスと戦い、5-4でサヨナラ勝ちした。先発の武田が7つの四死球を与えながらも、6回途中3安打1失点と“怪投”。打線は初回に2点を奪ってリードを奪うと、4回にも2点を加えた。8回に追いつかれたものの、9回1死で周東佑京内野手が劇的な5号サヨナラ弾を放った。このカードを1勝1敗のタイに戻した。

 試合後の藤本博史監督の一問一答全文は以下の通り。

――周東選手に始まり、周東選手に終わる1日。
「そうですね。本当8回、9回のところ、藤井とモイネロで勝ち切るピッチャーでいってるんですけど、こういうことも年に何回かはあると思う。最後、周東がよく決めてくれましたよね」

――ホームランの瞬間は。
「いや、もう塁に出てもらいたいだけですよね。塁に出たら足を使えるんで、何とか塁に出て欲しいと思ったら、まさかのホームランだった。本当ありがたいですね」

――初回も周東選手のヒットと盗塁から。さらに2回の守備でも素晴らしいプレー。
「今日はもう本当、周東デーですね」

――2番の今宮選手も3安打。1、2番が頼もしい。
「最近、1、2番がいい活躍してくれているんで、何とか得点できているかなと思います」

――武田投手は6回途中1失点。
「ちょっとストライク、ボールがはっきりしすぎて、球数が多すぎた。本人も130球まで行きますって言ってくれたんですけどね、また次回もあるんで120球までで抑えておこうということで、6回途中で終わったんですけど。要所要所をしっかりと抑えてくれて、なんとかゲームを作ってくれたんで良かったと思います」

――藤井投手は。
「本当に1年に1回の悪いときかなっていう。次回また頑張ってくれるでしょう。ここまで頑張ってくれてるんでね」

――周東選手の活躍で1勝1敗となりました。
「明日、和田が投げるんで、もう全力で勝ちに行きたいと思います」

(ペン記者囲み)
開口一番に
「疲れた。血圧が上がりそうです」

――周東選手が一発で。
「ああいうところで一発で決められるのはすごいよね。状態も今いいから、ああやって1球目から振っていけるんだと思うし、悪いとなかなか手が出ないからね。この状態を最後まで続けてくれたらね、ありがたいですけどね」

――2回の守備も素晴らしかった。
「あれは大ファインプレーですよ。もう完璧に捉えられた打球やったけど、あれは周東しか捕れないでしょう」

――デッドボールは?
「大丈夫です、全然。骨には問題ないです」

――ここにきて周東選手の存在がものすごく大きい。
「いや大きいですよね。1番にハマって、出たらバントする前に走ってくれるからね。今日の初回の攻撃なんか、もうノーサインですよ。みんな勝手にやっているんですよ。牧原(大)も今宮もセーフティ、ファースト側にやったけど、みんな自分で考えて、1番、2番、3番はやってくれるんでありがたいですよね」

――あの上位3人は理想的な3人。
「3人とも足を使えるしね。今宮はその中でちょっと足遅いかな。でも遅いって言っても、一般的には速い方ですからね、この1、2、3が本当に機動力使える1、2、3かなとは思います」

――周東選手は2年前の活躍が蘇る。
「今の状態を最後まで続けてくれれば。当然ここに三森も帰ってくると思いますしね。その辺、いい争いしてくれたら、もっともっと良いレベルでの野球ができるんじゃないかなと思う。例えば、これで三森が帰ってきて9番に入ったら、9、1、2、3といい打線になると思うし、今の1、2、3番は当分このままでいきたいと思います」

――武田投手は好投とはなかなか言いづらいですけど、1失点。
「要所要所はしっかり抑えてくれていたんですけどね。本人も納得してないでしょうし、不甲斐ないから『130球投げる』って本人が言ってきたんですよ。5回で代える予定だったんですよ、次回もあるからね。まだこれ先発して2回目だし、あんまり投げさせられないなというのがあったんですけど、本人が130球までいきますというから。130球はいいから、次の回だけでいいよっていうところで。120球をメドに終わろうかと。1人出てちょうど福田だったんでね。嘉弥真が相性良かったんで、右のバッターで残ってるのもそこまで嫌なバッターはいなかったんで、嘉弥真で行こうかって」

――5回にベンチで武田投手が藤本監督の後ろを掴むようにしていた。
「あのタイミングで130球行きますと言ってきたからね。いかんでいい、120球でいいから、あと1回だけ頑張れということで」

――責任感が出てきた。
「出てきました、すごくね。前回はチェンジアップを投げすぎて指がつったということで交代したんでね。その辺も武田が不甲斐なかったというところがあって、いくっていうのがあったんじゃないですか。中継ぎをだいぶ使ってるんでね。休めたいというピッチャーとしての気持ちもあったんじゃないかなと思いますけどね」

――今日は松本投手がベンチから外れていた。
「ちょっとまだ肩の状態が良くなかったんで、明日から入ります。今日までは投げさせないということで外しました」

――藤井投手は明日以降に影響は。
「出ないでしょう。球自体はいい球いってるんでね。ただ、ちょっとあそこの配球面もね。もう前回からそうだけど、強い球を投げられるもんだから、甲斐もそれで真っ直ぐの要求が多かったかなって。ピンチになって変化球を交えたら、ああやって抑えられるわけやから、最初からそうやった方が真っ直ぐがより一層生きてくるんじゃないかなと思うし。その辺はバッテリーコーチにしっかり言っておきます」

――昨日の初回のこともありましたが、今日の試合でバッテリーはどうでした。
「昨日は初回に真っ直ぐばっかりで杉山がやられたんですけどね。そこはしっかりバッテリーコーチとピッチングコーチを呼んで話をして、そういうことのないように、真っ直ぐがなんぼ強くても、その真っ直ぐを生かすためにどうしたらいいかっていうことを考えてくれと話しました。佐々木朗希でも、真っ直ぐ160キロ投げるピッチャーでも変化球が半分以上あるんだから、真っ直ぐがいいからって、真っ直ぐだけで押すっていうピッチングはやっぱプロの中では通用しないんじゃないかっていうことをね、コーチにははっきり言いました。甲斐はミーティング通りにやってくれているんでね。甲斐が悪いわけじゃなくて、バッテリーコーチ、ピッチングコーチがしっかりそこはやらないといけないかなと思います」

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)