ファーストストライクへのスイング率は確かに差が…
ソフトバンクは30日、本拠地PayPayドームで西武と戦い、0-6で敗れた。先発の大関が初回、2回と2点ずつ失い、3回途中でノックアウト。打線も西武先発の與座を打ち崩せずにプロ初完封を許した。これで4連敗となり、前日に首位の座を奪われた西武との差は1.5ゲームに広がった。
西武の勢いに立ち上がりから飲み込まれた。大関は初回先頭の外崎に中前打を浴びると、森には四球を与え、山川、呉に連続適時打を許して2失点。2回も先頭のジャンセンに二塁打を許すと、2死から外崎を四球で歩かせ、源田に2点適時二塁打を浴びた。序盤にビハインドを背負うと、打線も元気なく反撃できなかった。
試合後、報道陣の前に立った藤本博史監督は自軍の打線と西武打線の“差”について言及した。「全体的に見て西武の打線とウチの打線は、ファーストストライクを振ってきているか、振ってきていないかっていうところの違いじゃないかなと思いますよね。そこの差じゃないかなと思いますよ」。指揮官はファーストストライクへの対応に注目した。
実際にそこに差はあったのだろうか。西武はこの日、44打者が打席に立ち、ファーストストライクにスイングを仕掛けていったのは実に30打席あった。ファーストスイング率は約68%。一方のソフトバンク打線は試合後半になるにつれて増えていったものの、32打者のうちファーストストライクをスイングしたのは、15人で約47%。藤本監督が感じていたのは、この20%の差だ。
特に西武で注目だったのはダメ押しの5点目、6点目を奪った4回の攻撃。この回、打席に立った6人の打者全員がファーストストライクからスイングを仕掛け、一気呵成に得点を奪った。山川の適時打は初球打ち。ちなみに前日、山川が放った勝ち越しの30号3ランもファーストストライクを打ったものだった。
3割打てば、一流の打者と言われるプロ野球の世界。10打席立てば、7度は凡退する。カウント別打率で言えば、ファーストストライクを打った場合は3割以上が期待できるが、追い込まれてしまうと、その打率は1割台まで落ち込むとされる。早いカウントで打ちに行くと“淡白”とも捉えられがちだが、最も高い打率が期待できるファーストストライクでスイングを仕掛けていかないのはやはり勿体無いだろう。
「やっぱりファーストストライクからブンブン、自分のタイミングで振ってくるのと、ファーストストライク見逃してボール球振らされるのではやっぱり違うと思いますからね。その辺もう一回バッティングコーチにお願いしてやっていきたいと思います」と語った藤本監督。後半戦に入って奪った2試合での得点は2点だけ。投手陣が苦しんでいる時だからこそ、打線の奮起を期待したいものだ。
(鷹フル編集部)