ソフトバンクは28日、育成選手だった黒瀬健太内野手と支配下契約を結んだと発表した。新しい背番号は「12」。2015年のドラフト5位で入団した黒瀬は、2018年オフに戦力外通告を受け、育成選手として再契約を結んだ。その後も育成でプレーを続け、4年ぶりの支配下復帰となった。
同日行われた会見では喜びを語っただけでなく、育成選手としてプレーする間に苦悩した時期についても告白。昨オフに自主トレに参加した巨人の中田翔内野手への感謝、授かったアドバイスなどについても語った。黒瀬の支配下昇格会見の一問一答全文は以下の通り。
――いつどのような形で聞きましたか?
「昨日、四国の方で試合に出ていたんですけど、試合後、ホテルに帰って、言われました。編成の方からです」
――聞いたときの思いは。
「嬉しかったですし、やっと戻ってこられたという気持ちです」
――育成でここまでどんな思いで過ごしてきた。
「今年で7年目になりますけど、なかなか思うような結果を出すことができずに、本当に悔しい気持ちと、絶対に結果を残してやろうところで3年目になっても、4年目になっても、しっかり結果を出してアピールしようっていうふうに思って毎日やっていました」
――支配下登録期限までの最後の1か月はどんな思いで。
「僕はもう本当に与えていただいたチャンスで、しっかり結果を残すことだけを考えてやっていました」
――入団時に2軍の打撃コーチだった藤本監督と話は?
「いやまだ藤本さんとはお話できていません」
――どんなことを伝えたいですか。
「支配下に戻ってきました、なんとか戦力になれるようにまた明日から、しっかり頑張っていきます、と伝えたいです」
――王会長も非常に目をかけていた。
「キャンプの時や筑後での練習の時も挨拶をさせていただくと『どうや』と声をかけていただいて。バッティング練習の時も後ろで見てくださって、たくさん指導していただいたんで、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。何とか1軍で結果を出して、恩返しができるように頑張っていきたいです」
――喜びを伝えたい方は。
「お父さん、お母さんにはもう伝えたんですけど、僕に携わってくれた方々全員に伝えたいです」
――お父様、お母様からはどんなお話を。
「お父さんは『支配下になったけど、ここからやぞ』と。『もう1回スタートラインに立てたんだから、こっから結果出せるように頑張れ』と言ってました。お母さんはもうボロ泣きして、何言ってるかわからない感じでした。でも、すごい喜んでいたんで嬉しかったです」
――背番号は12。
「高谷さんがずっとつけていた番号っていうイメージしかないですけど、本当、高谷さんには今年も、選手のときも、いろんな話をしていただいて勉強になりましたし、すごく可愛がってくれていたので、その番号をつけさせてもらえることになったので、しっかり活躍したいと思います」
――今年自分で成長したと思うところは。
「打席の中で、しっかり考えを整理して立つことができるようになったのが、一番良くなったのかなと思います」
――1軍で発揮したい長所は。
「僕の長所は長打力なので、ホームランや長打をたくさん打って、打点をあげたり、いいとこで打ったりできるように頑張りたいです」
(ペン囲み)
――涙が込み上げるくらい嬉しかった?
「嬉しかったですけど、泣く感じじゃなかったです。やっと来たかという感じでした」
――これがスタートライン。
「嬉しいというより、ここからやっていう気持ちが強かったですね」
――育成選手はヒリヒリする時期。
「今年に関しては自分でもやることをやったと思っていたので『まだかなあ』という感じでした」
――今年で7年目。他球団でプレーする選手もいる中で、ホークスでやりたい思いが強かった。
「7年目ですけど、今までなかなか結果を残すことはできなくて、毎年毎年、今年この成績じゃクビになるかなってずっと思っていて。でも、毎年毎年そう思っていても、契約更改の時に球団の方からは『本当に期待してるんだ』『もっと頑張って欲しい』というふうに言っていただいて。こうやって7年目を迎えることができているんですけど、本当に球団には感謝の気持ちでいっぱいなんで、ホークスで活躍したいという気持ちは強いです」
――気持ちが折れかけたことはなかったか。
「何回もありましたよ。もう野球に向いていないのかなっていうふうに思ったり……。向いていないのかな、活躍できない、結果出すことはできないのかなと思う時もありましたね」
――何が自分を奮い立たせてくれた。
「ファンの方であったり、自分の周りの人から『応援してるよ』『頑張って欲しい』って言っていただいたりもしましたし。契約更改のときに毎年毎年『期待してるんだ』と球団の方から言っていただいたり、『良いものを持ってるんだから』というふうに言っていただいたりしていたので、頑張らないとって思っていましたね」
――藤本監督についての思いは。
「本当に藤本さんにはお世話になっていますし、本当にたくさんのことを教えていただいたり、指導していただいたりしてきました。上林さんとか皆さん、いろんな選手が『藤本さんのために』ってよく言われてますけど、僕も藤本さんのためにチームの戦力になれるようにしたい。こうやって支配下になって、1軍でできるっていうふうに思っていただいて契約していただいたので、自信を持って、もっと実力もつけて、チームの戦力になれるように頑張りたいと思います。藤本さんを楽にしてあげられるように、藤本さんを勝たせられるように頑張りたいです」
――巨人の中田選手との自主トレは。
「もういろいろありすぎて。もっとバッティングに関して勉強しないといけないなって。もっとバッティングのことを考えろっていうふうに言われて、ずっとバッティングのことを考えるようになりました」
――気持ちの面で学ぶこともあった。
「あります、もちろん。わからないことを聞いたら、自分のことのように考えてくださって、こうじゃないかっていうヒントも与えていただいて」
――中田選手に連絡は。
「連絡しました。『おめでとう』と言われて、その後に『でもこれで満足するなよ』と。『俺も今まで育成から支配下になって、それで満足して終わっていったヤツを何人も見ているから』と。『支配下になったら、周りから見られる目も変わるし、期待もされるし、育成のときの苦しさとかそういうのは経験したことがないからわからないけど、支配下になったら支配下なりに厳しいことがいっぱいあるから、これで気を抜かずに、明日からも結果残せるように頑張れ』と言われました」
――タイプ的にもリチャード選手が競争相手?
「力は負けるんで、飛ばす力は。今年に関してはウエスタン・リーグでもホームランが出てますけど、そこまで考えずに。良いところで打てるように、打点をたくさん取れるように。その中でホームランもたくさん出たらいいと思っています。打点を意識してやっていこうと思います」