下位打線で“繋がり”と得点を生み出した「8番・中堅」柳町
■ソフトバンク 9ー4 楽天(17日・PayPayドーム)
ソフトバンクは17日、本拠地PayPayドームで行われた楽天戦に9-4で快勝した。首位攻防となったリーグ戦再開初戦。田中将大投手にキャリアワーストタイの4本塁打を浴びせるなど、5本塁打が飛び出して圧勝。一発攻勢の中で存在感を見せたのが、下半身の不調から1軍に復帰したばかりの柳町達外野手だ。
「8番・中堅」でスタメン出場すると、復帰初打席となった第1打席で右中間への二塁打。5回裏の第3打席でも同じく完璧な当たりで右中間を破る適時二塁打を放った。このタイムリーでリードは4点に拡大。課題とされていた“繋がり”が下位打線に生まれたこの1点で、チームのベンチワークもかなり楽になったはずだ。
今季の柳町は打撃が好調。栗原陵矢と上林誠知を怪我で欠く中、外野のレギュラー獲りを猛アピールしてきた。しかし、交流戦途中の6月6日に下半身のコンディション不良で1軍登録を抹消された。藤本博史監督の「いま無理をさせて長引くと困る選手。(抹消期間最短の)10日で戻ってきてもらいたい」との言葉どおり、ファームでの調整と2軍戦出場を経て、最短で1軍に戻ってきた。
「監督が言ったとおりの期間で戻れたし、戻してくれた監督もそうですし、筑後でサポートしてくれたトレーナーの皆さんに感謝したいです」。試合後、柳町はこう語った。登録抹消されたことで「試合が終わってから次の日までの過ごし方であったり、身体にいいことをやっていかないといけないと感じましたし学びました」と、1軍で試合に出続ける大変さを身をもって痛感したよう。
この日は球界を代表する好投手である田中将から2本の安打。「2軍戦からいい形でできていたし、それが継続できたと思います。(2本の二塁打は)どちらもとてもいい形で打てたなと思いますし、本当に理想的な打ち方ができたと思います」と、マスク越しの笑顔も輝く。一時は規定打席に到達して打率もリーグ3位につけていたが、登録抹消により再び規定打席未達になった。それでも打率.312で“隠れ3位”に位置している。
「3割にはこだわりたいですが、1打席に集中していって挑むということの積み重ね(の結果)で3割を超えていたらいいなと思います」。この日は3打席を終えたところで途中交代。足の状態に考慮し、大事を取った形だ。同じく3割を超える打率を残す今宮健太とともに、今後も打線のキーマンとなりそうな柳町。いまや、チームに欠かせぬ存在になりつつある。
(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)