「自信を失うというか…」もどかしきプロ7年目 鷹・高橋純平が明かす胸中

8日に実戦復帰したソフトバンク・高橋純平【写真:上杉あずさ】
8日に実戦復帰したソフトバンク・高橋純平【写真:上杉あずさ】

右内転筋痛でリハビリ組で調整する高橋純は8日に実戦復帰

 8日にタマスタ筑後で行われた火の国サラマンダーズとの交流戦。ソフトバンク3軍の先発マウンドに上がったのは、右内転筋を痛めてリハビリ組で調整を続けている高橋純平投手だった。実戦復帰となるマウンドで1イニングを投げて無安打無失点。2つの三振も奪って、上々の復帰戦となった。

 プロ7年目を迎えた2015年のドラフト1位右腕。怪我に苦しみ、思うようなプレーができてない現状にはもどかしさを感じている。8日の登板後に「自信を失うというか、どういうふうに自分を見せたらいいのかも分からない。だから、何をしたらいいのか分からない時期も長かった」と、その胸中を吐露する。

 昨季は1軍で10試合に登板して防御率0.00。中盤以降は故障で離脱し、今季もまだ1軍登板はない。春先から痛めていた内転筋の影響もあり、結果も伴わなかった。2軍戦では6試合に登板したものの、防御率7.00。このまま痛みを我慢しながら投げ続ければ「後半戦も戦力になれなくなるかもしれない」と悟り、一度戦列を離れてリハビリ組で調整する決断に至った。

 現在、リハビリ組には高橋純をはじめ、武田翔太投手、田中正義投手、佐藤直樹外野手、井上朋也内野手、風間球打投手と歴代のドラ1が多くいる。それぞれが復帰へ向けてトレーニングに励んでいる中で、高橋純は「リハビリ組にドラフト1位が多い。1人でも早く抜けないとチームとして良くない流れなので、まず僕が早く抜けられるように頑張ります」と、その中の1人として責任を感じている。

 ただ、この離脱期間を有意義な時間にするため、“ドラ1”同士で意見交換をし、切磋琢磨してきた。高橋純は先輩に多く話を聞いたという。開幕ローテ入りを当確させながら、右肩の違和感で離脱した田中正とは様々な話をした。新型コロナウイルスに感染し、再調整を強いられた武田にはカーブの投げ方を助言を教わった。カーブはブルペンでの投球練習などで試投を重ね、実戦復帰した8日の試合でも投じた。

 中継ぎになってからは緩い球を投げることに怖さがあり、しばらく投げていなかったカーブだが、空振りを奪うことも出来た。「125キロだったので少し速かったんですけど、スライダーと別の軌道の球が投げられて、空振りも取れたので1つ収穫かな」と手応えも口にした。もどかしい時間をプラスに変えて、更に進化した高橋純が1軍に帰ってくる日をファンは待ち侘びている。

(上杉あずさ / Azusa Uesugi)