鷹のローテ再編に込められた藤本監督の狙い 石川柊太を沖縄でなく札幌に回す理由

ソフトバンク・藤本博史監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・藤本博史監督【写真:藤浦一都】

「石川を持っていって万が一流れて、登板が飛んでいくのは勿体ない」

 ソフトバンクは10日、宮崎・ひなたサンマリンスタジアムで予定されていた西武戦が雨のために中止となった。今季ここまで3勝をマークしている石川柊太投手が先発予定だったが、雨で登板が流れたため、先発ローテを再編。右腕は札幌ドームで行われる15日の日本ハム戦へと回ることになった。

 降りしきる雨には勝てなかった。サンマリンスタジアムのグラウンド上ではスタッフが試合開始に向けて準備を進めていたものの、水が浮き、試合開催が難しい状況に。試合開始予定30分前に中止が決まった。キャンプ地・宮崎での公式戦開催ということで藤本博史監督は「やりたかったのはやりたかったかったんですけどね、これだけ雨降って、あれだけぬかるんでいるとね。みんな状態良くなってるので、こういうところで怪我するのもね、危ないですし」と残念がった。

 この中止により、首脳陣は先発ローテの再編を決めた。11日の西武戦はローテ通りに東浜巨投手が先発。登板の流れた石川を15日に回し、札幌での日本ハム戦には千賀滉大投手と石川の二本柱を据えることに。14日に先発予定の大関友久投手と、15日の先発予定だった杉山一樹投手のどちらかを17日から沖縄で行われる西武戦に回すことになる。

 このローテ再編の意図を藤本監督はこう語る。「杉山とかがちょっと投げる場所が変わってくる。沖縄も雨模様やからね。そこに飛ばして、石川を持っていって万が一、流れて、登板が飛んでいくのは勿体ない」。石川は千賀と並び、チームの大黒柱なだけに、1試合でも多く投げさせたい、というのが首脳陣の思い。ローテを1回飛ばした挙句、屋外球場での試合に回して、2週続けて登板が流れてしまったら…。チームにとってのベストを探った結果のローテ再編となった。

 年に一度の宮崎での公式戦開催は残念ながら中止に。藤本監督は「何とかこのペナントレース頑張って、秋ですね、(宮崎に)帰ってくるのは。その時に良い報告できるように頑張りたいと思います」と語る。宮崎のファンに優勝を報告できるように、ベストの策を考えてシーズンを戦っていく。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)