“プロ初降格”…ドラ5ルーキー高橋隆慶が明かした本音 首脳陣が明示した「課題と可能性」

高橋隆慶【写真:栗木一考】
高橋隆慶【写真:栗木一考】

明かした胸の内「自分にできることは」

 ファーム・リーグの開幕カードが行われた大阪に、高橋隆慶内野手の姿があった。1軍のオープン戦で劇的なサヨナラ本塁打を放つなど、猛アピールを続けていたドラフト5位ルーキー。15日のオリックス戦(杉本商事バファローズスタジアム)では4番に座り、2安打を放つ活躍を見せた。

 首脳陣が判断した降格の理由は守備面にある。特に「送球じゃないですかね。(送球ミスが)高いのと、シュート回転ですね」と本多雄一内野守備走塁コーチは説明する。その課題と向き合うために、練習では左翼と遊撃の中間位置から一塁送球を繰り返していた。

「自分のスイングができているというのは、1個ポイントかなというのはありますね」。相変わらず打撃の状態は良い中で味わった“プロ初降格”。高橋は今何を思い、どのように野球と向き合っているのか。

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続きの内容は

小久保監督が直接伝えた「打撃への評価」とは
守備の課題を「成長期間」に変える前向きな理由
出場機会を増やすための「新ポジション挑戦」の胸中

首脳陣からの太鼓判と、前向きな「強化期間」

「1軍でも2軍でも自分がやることと、“できること”は変わらないと思っています。特に自分の精一杯を出すというところは。2軍に降格したから落ち込んでいるとかはないので、自分の与えられた場所でできることをやるだけです」

 会話の「間」に漂っていたのは、強がりではなく等身大の落ち着きだった。明確になった課題があるからこそ、無意味に落ち込むこともなければ、下を向いてもいられない。グラウンドに立つ背番号56の背中は堂々としたものだった。

 その背景には、1軍首脳陣からのメッセージがある。「小久保監督からもそうですし、長谷川(勇也打撃コーチ兼スキル)コーチからも『バッティングは十分に対応できると思うから』と言われました」。持ち味の打撃については、すでに1軍で戦えるレベルにあるという太鼓判を押されている。

 一方で突きつけられたのは守備、特に送球部分の課題だ。「やっぱり守備の部分が課題で2軍に合流しているので。金子(圭輔2軍内野守備走塁)コーチともいろいろ話し合いながら、『しっかりやっていこう』と声をかけていただきました」。2軍での日々は、1軍でレギュラーを奪い取るためのポジティブな強化期間なのだと、自身の中でしっかりと消化している。

金子圭輔コーチと守備の確認をする高橋【写真:栗木一考】
金子圭輔コーチと守備の確認をする高橋【写真:栗木一考】

泥臭く出場機会を求める貪欲さ

 送球に課題がある中で、15日は一塁でスタメン出場した。ファウルフライに対して果敢にダイビングキャッチを試みるなど、与えられたポジションで泥臭くプレーする姿があった。

「セカンド挑戦もそうですけど、サードだけよりはファーストもできた方が出る機会も増やせます。そういった意味でも、サードはサードで、ファーストはファーストで頑張るだけです」。不慣れなポジションであっても、出場機会を貪欲に求める。チーム状況を見て今の自分に何が必要なのか、何ができるのかを考えられる力が高橋のもう1つの魅力だ。

 這い上がるための道筋はもう見えている。華やかな1軍の舞台から離れてファームの土にまみれることになったが、その瞳は決して輝きを失っていない。泥だらけのユニホームを見ると、1軍への昇格はそう遠くないように思える。

一塁ゴロを捕球する高橋【写真:栗木一考】
一塁ゴロを捕球する高橋【写真:栗木一考】

(飯田航平 / Kohei Iida)