藤井&大関は育成での入団から“大台”を突破
ソフトバンクは24日、支配下選手3人と契約更改交渉を行った。上沢直之投手が年俸2億5000万円(現状維持)、大関友久投手が1億7000万円(8000万円増)、藤井皓哉投手が1億2000万円(5000万円増)でそれぞれサインした。(金額は推定)
この日の交渉を終えた三笠杉彦GMが取材に対応。将来的なポスティングシステムを利用してのメジャー挑戦の希望を明かした大関について、球団としてのスタンスを語った。一問一答は以下の通り。
――まずは上沢投手。加入1年目で日本一に大きく貢献した。
「前半やや苦労している感じは見受けられましたけど、まさに尻上がりに調子を上げて、しっかり結果を残してくれたなと。素晴らかったと思います。本人も言っていましたけど、色々周りの感じが大変なところもあったとは思うんですけど、プロとして冷静に対処して、しっかり結果を残してくれたなと思います」
――上沢投手も、球団のサポートに感謝の思いを口にしていた。球団としても、しっかりとバックアップができた。
「それは彼に限らず、全ての選手をバックアップしたいと思っているし、そういう環境を作ることが我々の仕事なので。彼のピッチャーとしてのパフォーマンスも立派だと思うんですけど、スタッフだとか後輩の選手であったりとか。そういう人たちへの感謝や接し方みたいなところも、色々な人から(いい評判を)聞いていますので。いいお手本になってくれたのかなと思います」
大関友久は交渉の席でポスティングシステムについて言及
――大関投手は交渉の席でポスティングシステムの利用を訴えたと言っていた。球団として認めない方針は変わらない?
「『ポスティングを認めない』というよりは、厳密に言えば『ポスティングの権利を行使しない』です。選手がやるのではなく、我々がやることなので。行使しない方針であることは今のところ変わりはありません」
――選手からも意見を吸い上げているところ。
「意見は広く、選手中心に話を聞いていきたいなと思っています」
――メジャーリーグを目指す選手が増えてきた。そういった部分への理解というのは。
「現状、海外FA権を取ってメジャーに挑戦する道がありますので。必ずしもポスティングだけが方法ではないと思っています」
――藤井投手は、中継ぎが50試合登板するハードルが高くなっていると言っていた。球団としては、どのように査定した?
「査定の基準ですので、そこは最終的には球団が判断していくところだと思います」
「プロ野球のパフォーマンスをお金に換算することは難しい」
――故障リスクへの配慮もあると思うが、球界全体として中継ぎの登板数は減っている?
「変化しているんじゃないですか。公平な基準というのは、なかなか難しいんですけども。こっちを立てればこっちが立たず、みたいなことでもあるので。全体的な意見を総合して、より公平なものに変えていくということかなと思います」
――「こっちを立てればこっちが立たず」というのは、査定する球団にとっては難しい課題?
「もともとね、プロ野球のパフォーマンスをお金に換算すること自体が難しい話ですので。明確な答えというのはないと思います」
――100イニングで言えば、今季のパ・リーグでは25人が到達。50試合登板は11人だった。毎年変わる数字だからこそ、“偏差値”で測るというのも、現実的ではない?
「どうでしょう。そういう軸もあるとは思いますけど、大切なのは『連続性』じゃないですかね。この話はそんなに単純ではなくて、今の投高打低の時代の成績と、そうじゃない時の成績を比べると……というのもありますし。その年のパフォーマンスだけで来季の給料を決めているわけではないので。何年も連続で高いパフォーマンスをすることで、来季もやってくれる確率が高くなるだろうという観点です。同じ成績だとしても連続で結果を出している選手がいれば、給料の上がり方も違う。そういうところを総合的に判断することもありますので」
(竹村岳 / Gaku Takemura)