4選手の契約更改を終えて三笠杉彦GMが取材に対応
ソフトバンクは26日、支配下の4選手と契約更改を行った。岩井俊介投手は現状維持の1500万円、前田純投手は1800万円(1050万円増)、前田悠伍投手は1100万円(100万円増)、岩崎峻典投手は860万円(60万円増)でそれぞれサインした。交渉を終えて、三笠杉彦GMが取材に対応。前田悠の姿を「模範的」と語るなど、具体的な評価も口にした。
また、この日は球団から奈良原浩ヘッドコーチが来季から「コーディネーター(野手統括)アドバイザー」に就任することが発表された。経験豊富な指導者に期待する役割や、4軍とリハビリ組の組閣についても言及した。三笠GMのコメント全文は以下の通り。
会員になると続きをご覧いただけます
続きの内容は
・前田悠伍を「模範的」と評した、球団が評価する“取り組み”
・「ご祝儀ではない」契約更改昇給につながったポストシーズン評価
・3軍・4軍制の変更で「リハビリ組」の組閣は統合か、分離か
――前田純投手は2勝に終わったが、昇給は投球内容などを評価した結果か?
「そうですね。毎年言うんですけど、シーズンってどうしても後半の印象が強くなってしまう。だけど1年間をフラットに見た時に、前半にしっかりと活躍してくれたので。2勝ではありましたけど、(チームが)苦しい時期でもあったので。状況が良ければもっと勝ち星が増えていたかもしれないし、いいピッチングをしてくれたと評価しています」
――2勝に終わった中で、イニングや防御率を評価した?
「勝ち星は味方が点を取らないと生まれない。ピッチングの内容を評価するのは、当たり前のことかなと思います」
プロ初勝利を挙げた前田悠伍「順調に成長」
――前田悠伍投手が「将来的な話もされた」と言っていた。後輩を引っ張る存在になってほしい?
「本人は満足していないですけど、順調に成長してくれている。1軍では1勝でしたけど、2軍でのパフォーマンス、投球内容を見れば(それは明らか)。あとは取り組み方、野球への向き合い方ですよね。模範的な選手になりうると思っているし、すでにそういう取り組みをしていると評価しています。ドラフト1位ですし、もちろん自分の仕事をしっかりやるとともに、リーダーシップを持って他の選手にも影響を与えられる存在になれると、球団としても評価している。そういう話をちょっとしたという感じですね」
――来季が3年目・一気に成長してほしい。
「それはもう(一気に)いってくれたらいいんですけどね。来年くらいにはローテーションで1年通してやってくれたら、もう万々歳だとは思うんですけど。ローテーションに入って、優勝に貢献するくらいの仕事をしてもらえたら嬉しいです」
――前田悠投手の取り組みは、球団からみても模範的?
「そういうところを査定に入れてやっているわけではないんですけどね。この4軍制を敷いている中で、育成プランがありますよね。育成選手の中からいかに支配下選手を作っていくか。それとともに、ドラフトの上位が育っていないとのご批判も受けていますので。ドラフト上位で獲得した選手を育てるにはどうすればいいのか。フロントとコーディネーターは定期的に議論しています。その話し合いをしている中で、(前田悠の)技術面の向上だけではなくて、トレーニングであったり、そういうところまで評価しているということです」
奈良原浩コーチに新たな役職「内野守備のスペシャリスト」
――本格的に契約更改が始まって、アップ査定が目立つ。日本一になったことも影響しているか?
「日本一になったからご祝儀的に、ということではありませんけども。よく『レギュラーシーズンだけが査定の対象』『ポストシーズンは関係ない』っていうのを見かけますけど、我々はポストシーズンの活躍も含めて評価しています。そういう意味では、ご祝儀というよりは、結果的にたくさん試合もして。大事な試合もあったわけですからね。そのぶん、選手の評価も高い方に行くという仕組みになっている。そういうことかなと」
――奈良原浩ヘッドコーチが、来季からコーディネーター(野手統括)アドバイザーに就任することが発表された。コーディネーター制の中にも変化が?
「荒金(久雄)野手統括へのアドバイス業務というようなこと。いろんな球団でコーチをやってこられた、本当に経験豊富な方なので。1軍から4軍まで連携は取っていますけど、その中でアドバイスをいただいたりとか。あとは打撃やピッチングでコーチのコーディネートも進んでいるんですけど、奈良原さんは特に内野手。守備のスペシャリストでもありますので。そういうところでの指導体制の整備だったり、まとめていくところで貢献してくれるんじゃないかと思っています」
――リハビリ管轄のコーチがまだ発表されていないが、来季の組閣はこれでひと段落?
「検討中なので、決まったらお話しします。3軍が試合中心になって、4軍は特化練習をやる。試合はやらないという体制になった時に、(活動の)基本は筑後になるじゃないですか。リハビリ組も基本的に筑後なので。4軍も動くのであれば、リハビリはリハビリで見る人が必要なんですけど。ちょっと今、スタッフも含めて統合するのか、分けるのは分けるのか。そういったところの議論をしているところ。固まったところで、またお話をさせていただきます」
(竹村岳 / Gaku Takemura)