小久保監督が栗原に脱帽「抜けていたら…」 劇的勝利、ナインに感謝「本当にいい試合」

勝利後の小久保裕紀監督(中央)【写真:小池義弘】
勝利後の小久保裕紀監督(中央)【写真:小池義弘】

徹底した独自取材、データ分析
選手の本音や核心に迫る「鷹フル」

首位攻防戦に勝利しM7「まだまだ何が起こるか分からない」

 ソフトバンクは18日、みずほPayPayドームで行われた2位・日本ハムとの直接対決に3-2で逆転勝利した。先発の大関友久投手が3回無死一、二塁で降板。代わった松本晴投手がその後を無失点にしのいだが、4回に勝ち越し打を許した。打線は1点ビハインドの8回に栗原陵矢内野手が貴重な同点のソロを放った。その後、柳町達外野手の二塁打などで1死満塁の好機を作ると、代打の川瀬晃内野手が押し出し四球を選んで逆転した。チームは5連勝を飾り、優勝マジックは「7」。試合後、小久保裕紀監督が取材に応じた。主なコメントは以下の通り。

――大一番を逆転勝ちで制した。
「7回のチャンスで点が入らなかった中で。8回に同点から逆転までいって。きょうは投手陣は延長を考えずにつぎ込んだので。本当にいい試合でしたね」

――前半は押される展開だった。
「ずっと押されっぱなしでした。北山だったし、あまり点は取れないことは分かっていたので。大関もここまで頑張ってくれていたんですけど、2回までを見た時点で、抑えられる球がないかなという判断で。あそこで思い切ってスイッチしました」

――2回の満塁のピンチを1点でしのいだことも大きかった。
「きょうは栗原に尽きるんじゃないですかね。サードのプレー。あれが抜けていたらワンサイドゲームになっていたと思うので。そこの守りと、8回の同点ホームラン。本当にいい活躍でした」

――栗原選手の同点弾から一気に逆転まで持っていった。
「同点なら9回は杉山(一樹)だったんですけどね。ビハインドだったら使う予定はなかったので。きょうの勝負は8回までにかけてたんでね、8回に逆転できて、理想的に最後は締めくくることができましたね」

――この試合を取った意味合い。
「大変有利になったということは感じていますけど、まだまだ何が起こるか分からないという気持ちでいます」

松本晴の登板は「プラン通り」…明かした理由

――大関投手の降板は早い決断だった。
「結構いい当たりをされていたし、連打も続いていたので。(松本)晴を早めに準備させていたのはプラン通りでした。いつからいくっていうのは決めてなかったですけど」

――松本晴投手の投球も大きかった。
「次(4回)に1点は取られましたけど、あそこ(3回無死一、二塁)無失点で帰ってきてくれたので。ワンサイドになりかねない状況でしたけど、よくしのいでくれましたね」

――ビハインドの展開で松本裕樹投手もつぎこんだ。
「あそこ(8回)まででしたけどね。9回は同点なら杉山でしたけど。早めの継投だったので、残りのピッチャーが少なかったということです」

――栗原選手について。
「状態は上がっていますよ。今シーズンで一番いいくらいじゃないですか。怪我をする前はあまりよくなかったので。残り試合でおいしいところを持っていけという話はしているので。その通りやってもらいたいです」

――選手たちの表情を見ていても、いい雰囲気になっている。
「そこは当然ですね。近藤が『ありがとうございました。どうもすみません』って言ってましたけど。ノーヒットでしたけど、そういうゲームを勝ちきれてよかったです」

――監督としても8回の攻撃は今年一番声が出た?
「いいですね。こういう試合もね」

――1日空いて、9連戦が始まる。
「ポイントになりますね。これからちょっと整理して、また備えます」

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)