首脳陣の表情が物語る、有原で喫した逆転負けの“重み” 6回の思惑「最終的には…」

6回に連打を浴び逆転を許した有原航平【写真:小池義弘】
6回に連打を浴び逆転を許した有原航平【写真:小池義弘】

23日の日本ハム戦でも2回に4点を失っていた

 ゲームセットからわずか8分後、小久保裕紀監督が姿を見せた。「一言だけいいですか。きょうの負けは痛いです」。自ら会見を切り上げた。その表情は、胸の内にある思いを必死に抑えているようにも見えた。

 30日のロッテ戦(ZOZOマリン)、4-6で痛恨の逆転負けを喫した。5回までロッテ打線を1失点に抑えていた有原航平投手だが、6回に暗転。先頭打者に四球を与えると高部、上田に連打を浴びて無死満塁となる。その後も藤岡、代打・寺地、小川のタイムリーで4点を失い、逆転を許した。

 デーゲームで日本ハムが敗れていただけに、ゲーム差を広げるチャンスだった。3点差をひっくり返され、まさに「痛い」1敗。首脳陣の沈痛な表情が、この一戦の重さを物語っていた。試合後、選手たちは足早にバスへと乗り込んでいく。8敗目を喫した有原が口を開いた。

試合中の「降板コメント」も配信されず

「あそこで勝ち越されずに、最少失点で粘れなかった。6回も四球からですし、連打をされたのは何か原因があると思う。しっかり投げられるように、とにかく抑えられるようにやっていかないといけないです」

 前回登板は23日の日本ハム戦(エスコンフィールド)。6回6失点を喫した中、2回に一挙4点を失った。16日のロッテ戦(みずほPayPayドーム)でも2回に5失点。結果的にこの日も流れを止められなかったことを「原因がある」と真っすぐに向き合った。マウンドに上がれば誰よりも熱い気持ちでチームを鼓舞する右腕。試合後は報道陣の前で足を止めて、淡々と内容を振り返っていた。

 倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)も、指揮官と同じく厳しい表情だった。5安打1四球を浴び、逆転を許してしまった展開。6回に入った時点では59球だっただけに「球数も含めて、任せるという判断だった?」という問いかけに「(交代についての)話はしますけど、最終的には監督の判断です。乗り越えてほしいということだったと思いますけど」。そう話す口調は重く、敗戦という結果を受け止めていた。

 試合中に球団広報を通じて出す「降板コメント」も、この日は配信されなかった。有原は「点を取ってくれて、いい展開だったので。本当に申し訳ないと思います」と口にした。リーグ連覇を目指すレギュラーシーズンの戦いは、残り26試合だ。

(竹村岳 / Gaku Takemura)