「新しいモイネロ」初完封に見えた“変化” 小久保監督が称賛…試合を分けた初回の39球

小久保裕紀監督【写真:小林靖】
小久保裕紀監督【写真:小林靖】

徹底した独自取材、データ分析
選手の本音や核心に迫る「鷹フル」

18日に川口冬弥が登録抹消…本人に伝えた課題

 ソフトバンクは19日、西武戦(ベルーナドーム)に4-0で勝利した。先発のリバン・モイネロ投手が9回2安打2奪三振で無失点と快投?キャリア初となる完封勝利で、今季8勝目を挙げた。打線は4回、牧原大成内野手と中村晃外野手の適時打で幸先よく2点を先制。9回には近藤健介外野手の2点二塁打でダメ押しに成功し、カード初戦を白星で飾った。この日、取材に応じた小久保裕紀監督の一問一答は以下の通り。

●試合前

――川口冬弥投手が18日に出場選手登録を抹消された。
「みんなも見ていてわかったと思うけど、良い時のストレートから(球速が)8キロくらい落ちていた。1軍の疲れとか、プレッシャーもあると思う。そういうところを本人に伝えたら、『なかなか出力が上がらない』と話していたので。あのフォークも150キロが出るから効くので。142、3キロのストレートじゃ厳しいですよね」

――代わって尾形崇斗投手が登録された。
「(ファームで)だいぶ投げていたね。変化球のところを課題に挙げていたけど、倉野(信次投手)コーチとも話して良くなったと。ストレートは元々良いからね」

――西武との3連戦は強力な先発陣を相手にする。
「とりあえず3つ。すごいピッチャーばかりですよ」

――ホークスは東浜巨投手、大津亮介投手が先発。ロースコアの戦いにもっていきたい。
「そうならないと、しんどいと思いますね。1軍の中では十分、(先発の)権利を得たので。勝ち取ったものですから。これまでやってきたことをそのまま出してくれればいいですね」

――大津亮介投手は久しぶりの先発となる。
「今が1番いい状態だと思うので。その時に投げさせようということです」

前田悠伍の次回登板にも言及「もちろん投げる」

――前田悠伍投手の登板は球宴明けの予定?
「はっきり決まっていないけど、どこかではもちろん投げます」

――ベルーナドームの暑さはどうか?
「覚悟してきたよりは、暑くないよね。これくらいなら大丈夫です」

――小久保監督の現役時代の暑さ対策は?
「冷房をどうやってかけるか、毎年試してましたね。『27度の強風がいい』とか、『除湿はダメ』とか、そういうことをずっと考えていましたね。長袖長ズボンで寝たりもしていましたね。とにかく寝られなくてもダメだし、冷えすぎてもダメなので。やめた後に冷房をかけっぱなしで眠るのが、一番開放感がありましたね」

今井を攻略…鍵になったのは「打線の粘り」

●試合後

ーーモイネロ投手が完封勝利。
「(こちらの打線が)チャンスを潰しながら、本来なら向こうに流れがいくところですけど。さすがのピッチングでした」

ーー三振を奪うよりも打たせて取った。
「暑さ対策かはわからないですけど、これまでとは全く違うスタイルでしたね」

ーー本人が考えた?
「そうだと思います。これまでは腕を思い切り振ってもファウルで粘られて、球数がかさんでいたので。きょうは新しいモイネロでしたね」

ーー今井投手には球数を投げさせた。
「5回で降ろしたのは大きかったですね。初回はゼロでも39球を投げさせた打線の粘り、ボール球を振らない集中力が良かったですね」

ーー向こうにバントを決めさせず、こちらはしっかりと決めた。
「チャンスを潰していた中で、牧原大成の先制打は大きかったですね」

ーー2試合連続の適時打を放つなど、牧原大成選手は活躍が続いている。
「彼の活躍がなければ奇跡の引き分け(17日のロッテ戦、北九州)はなかったわけですから」

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)