2軍で防御率1.50…伊藤優輔が明かした胸中
好成績を残しながら2軍降格となったが、「受け入れるのはそんなに酷ではなかったです」と淡々と、前向きに受け止めた。開幕直前までローテーションを争い、あと一歩のところで脱落。伊藤優輔投手は1軍での先発を目指し、ファーム施設で汗を流す。
甲斐拓也捕手の人的補償で今季から加入。オープン戦では2登板で1勝1敗、防御率2.70とまずまずの成績を残した。3月13日の古巣・巨人戦(みずほPayPayドーム)では5回途中1安打無失点と快投。一方で、開幕直前の21日に2軍降格を告げられた。
降格から約2週間が経過。2軍では2試合で防御率1.50と無双している。現在の胸中、そして小久保裕紀監督から受け取った課題を明かした。
「監督からは『ずっと6人で(ローテーションを)回るわけじゃない、いつでも1軍に来られる準備はしておいてほしい』と言われたのと、課題の球速や体力的な部分を指摘されました。そこはしっかり自分と向き合いながらやっていく中で、怪我せずに1年間、いつ呼ばれても良い準備ができるようにしていきたいです」
13日の巨人戦では4回2/3をわずか1安打にまとめた。一方で、69球で降板時には足が攣るアクシデントも。昨季は巨人で中継ぎとして2軍で14セーブ、1軍でも8試合に登板。今季から先発転向となり、課題は体力であることは明確だった。
「正直、先発転向して1年目で開幕ローテーション入れるほど甘くはないと思っていたので。受け入れるのはそんなに酷じゃなかったです。その中で、ずっと6人が回るわけではないので。常に呼ばれる立場にいることが、2軍で投げているうちは大事。2軍でもある程度ローテを回って予備として待機していることが一番大事だと思う」
川越コーチが語る課題…中継ぎと明確な違い
2軍では2試合に登板し、それぞれ6回を投げて自責は計2点。1日からのウエスタン・リーグの中日3連戦(ナゴヤ球場)は一度登板をスキップする。川越英隆コーディネーター(投手ファーム統括)は「急に一気にやるとまた怪我するリスクもあるので。そこはしっかり。たとえば、ある一定期間投げ続けたら空けると言うやり方をしようかと思っています」と説明した。
2021年オフにトミー・ジョン手術を受け、2022年は全休。2023年に復帰し、右肘は万全ではあるものの、焦ってスピードを上げようとすると新たな怪我につながる。川越コーチは「先発だったら体力をつけないとという部分だけなので、そこは徐々にクリアしていけばいいかなとは思う」とペース配分を加味しながら、先発調整を進めていくことを明かした。
先発転向は単純に球数が増えるだけではない。イニングを跨いで投げる難しさもある。「慣れや強さも必要になってくる。100球を投げ続けるのと、100球を5回に分けて投げるのは全然違います。もともとコントロールやボール1個1個の質がいいので、ある程度抑えられる。あとは体力的な部分。今は修行中ですね」と川越コーチは指摘する。課題は明確。長いシーズンでチャンスは必ず回ってくる。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)