開幕カードでは1号2ラン含む3試合連続安打
鷹フルがお送りする正木智也選手の連載、2回目のテーマは“チームの主軸を担う覚悟”です。5番打者として出場した開幕3連戦で示した確かな存在感。開幕直前に「まだ認めてもらえるまでは全然足りない」と語った意味とは。主軸として期待がかかる2025年シーズン、正木選手の思いに迫ります。
【連載第1回】打率1割台で開幕1軍「ワクワク20%」 正木智也の本音…目にした“監督の記事”
開幕1軍入りも打率1割台に悔しさ…ホークス・正木智也が見据える“次の壁”とは? 監督の言葉に奮起し、覚悟を決めた4年目の挑戦。その本音と決意に迫る。続きを読む
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チームの未来を担う1人として、正木が4年目のシーズンに臨んでいる。昨季は6月下旬からスタメン起用され、今春のオープン戦でも多くの打席を与えられた25歳。首脳陣の“主軸を担ってほしい”という期待を、本人も強く感じ取っている。
「去年の後半もずっと出させてもらいましたし、オープン戦でもかなり打席を与えてもらったので。期待は感じています。でも、まだ認めてもらえるには全然足りない。首脳陣やファンの皆さんに主力として認めてもらえるような選手になりたい」
主軸を担う選手には、常に熱い視線が向けられる。打てば称賛され、打てなければ厳しい声が飛ぶこともある。チームを背負う存在になるには、そうしたプレッシャーに打ち勝つメンタルも必要だ。
「いろんなことを乗り越えて、今の主軸の人たちはここまで来ていると思います。僕もこの1年はそれを乗り越えないといけないと思いますし、乗り越えてこそファンや首脳陣にも認めてもらえる。本当にこの1年は“死ぬ気”で頑張りたい」。その言葉に覚悟が滲む。
口にした確かな自信…「1年いたらある程度打てる」
プロ野球選手としてのキャリア全体を見ても、今季は重要な分岐点になりそうだ。「1年間1軍で出続けた経験はないですし、相当難しいシーズンになると思いますけど、それをなんとか乗り越えていければなと思います」。開幕1軍をつかんだことで最初の壁は越えたが、次なる目標はシーズンを通して戦い抜くこと。そしてレギュラーに定着することだ。
「1年間1軍にいられたら、多分ある程度は打てていると思うので。最後に優勝の瞬間までいることができたらいいなと思います。だからこそ、開幕からなんとか最初の1本を出して、波に乗っていければと思います」
正木が自信を持ってこう話せるのは、昨年の経験と手応えがあるからだ。80試合に出場したことで、精神面でも成長を感じている。
「去年1軍で出させてもらったっていうのがすごい大きいです。打っても打たなくても、次の試合は来る。引きずったままでは打てないし、同じような形になってしまう。1日ごと、1打席ごとに切り替えることが大事。その成長は前よりも感じます」
チームは本拠地でロッテに開幕3連敗を喫した。しかし、正木は全試合で5番を任され、3戦連続安打を記録。30日には1号2ランも放ち、クリーンアップを任されるにふさわしい存在感を示した。激しいレギュラー争いを勝ち抜き、掴み取った開幕5番の座。“死ぬ気”で挑む今シーズンは、正木にとってキャリアの中でも重要な1年になる。主軸を担う覚悟は、すでに確立されている。
(飯田航平 / Kohei Iida)