ホークスに移籍して2年目だった2024年、39試合に登板して、0勝3敗24セーブ、防御率3.76という成績に終わった。腰部に痛みを訴えて、8月から約1か月は治療のために渡米。思い通りの投球を手にするためには、時間も苦労もかかってしまった。
オフは米国でトレーニングを積み、オープン戦では5試合に登板して無失点。「感じよくできているというのがまずはいいですし、怪我がないのがいいですね。キャンプでやってきたことを続けて、開幕までに100%の状態にすることを目標にやっています」と現状を語る。実績は申し分ない。シーズンで最大のパフォーマンスを発揮するためにも、一任された調整をまっとうしてきた。
昨年から今年2月の来日まで、主に単身での自主トレを継続してきた。重要視したのは、とにかくコンディション。ウエートトレーニングやランニングなど、練習内容にも細かく気を配ってきた。「腰の怪我をしないために気をつけている。走り込みも投げ込みもしたんですけど、全ては怪我をしないため。腰を強化するためです。また自分の思い通りの投球ができなくなるのが怖かったから、それをケアしていました」。20歳にメジャーデビューを果たし、エリート道を歩んできた。あれほどの苦い思いは、もう絶対に味わいたくはない。
「去年1年は、本当にフラストレーションがたまる1年でした。小久保さんの1年目ですし、何試合か勝つことはできたけど、自分の中ではもっともっと勝利に貢献したかったのに、それができなかった。小久保さんがこんなによくしてくれているのに。それが残念で仕方ないですし、絶対に同じことはしたくないので、まずは怪我をしない体を作ることを続けてきました」
昨シーズン、日本シリーズでの敗退が決まったのは11月3日。オスナが福岡を離れたのは、同月の下旬だった。空港で口にしたのは、ファンへの謝罪。「申し訳なかった。ファンもスタッフも、みんなが望むような結果にできなかったことに責任を感じている」。最初から最後まで、前向きな言葉は1つもなかった。3か月が経ち、“謝罪の真意”を語った。「2つ、理由がある」という。
「まずはファンの方は、いい時も悪い時もこんな全力で応援してくれているのに、期待や声援に、完全に応えることができなかった。申し訳ないという気持ちが残っている。そして、チームメートもです。小久保さんも倉野さんも若田部さんも、ソフトバンクというチームが僕のことを信頼して4年契約も結んでくれた。2023年の成績があったから、自分を信頼して4年契約を結んでくれた。なのに、その期待には応えられなかった」
2023年は49試合に登板して3勝2敗、26セーブ、防御率0.92。単年契約の中で圧倒的な結果を残し、新たに4年40億とも言われる契約を結んだ。「2023年以上の成績を残すこと。それが自分が最低限、やらないといけないことだと思っている」と言い聞かせる。だからこそ「それができなかったことに対して、ファンの方だけに対して、チームのみんなにも申し訳なかった。結果が出なかったことに対しては、恥ずかしい気持ちもありました」と続けた。
小久保監督は守護神での起用を明言している。慣れ親しんだポジションで、もう1度チームの勝利に貢献したい。「自分としては、まずは健康に。怪我をせずに1年間プレーすることが大事。怪我さえなければ、間違いなく去年よりもいい成績が残せると思う。いいパフォーマンスができると思っているので、まずは怪我をしないことです」と繰り返す。昨年よりもはるかに体重を減らして来日した。食事管理をはじめ、徹底したオフを過ごしてきた自負がある。
ホークス3年目、4年契約の中では2年目のシーズンとなる。開幕まであと4日だ。「腰、背中の状態を一番気にしていた。そこに痛みがないということ。まだ全力には届いていないですけど、キャンプからやらせてもらっていて、状態は上がっている。順調にきていると思います」。求められるのは結果。日本一に貢献して、もう1度、自分の力を証明する。