明かした今後のプラン「1~2週間の間にゲームで投げたい」
開幕ローテーション入りが内定している中での離脱だったが、焦りはなかった。「自分がどれだけできるかというのもわかっているので」。カーター・スチュワート・ジュニア投手は自らのペースで復帰への道のりを歩んでいる。離脱後は4度のブルペン入り。「1~2週間の間にゲームで投げたいと思っています」と実戦復帰を目指している。
22日、筑後のファーム施設で行われたリハビリ組の練習では、栗原陵矢内野手から「いつ本気出すんや!」と発破をかけられる場面もあった。開幕前の負傷離脱という悔しい現状にも笑顔が見られたのは、今年1月に婚約した愛妻、そしてチームメートの支えがあったからだった。
小久保裕紀監督は昨年11月の段階で有原航平投手、リバン・モイネロ投手とともにスチュワートの開幕ローテーション入りを明言していた。大きな期待をかけられながらも、左脇腹を痛めてキャンプ途中でリハビリ組に合流した右腕。現在はブルペンで約8割ほどの力で投げている状況だ。森山良二リハビリ担当コーチ(投手)は「問題なく投げれている」とうなずいた一方で、再発しやすい箇所なだけに「焦らず慎重に進めています」とも話した。
2年連続2度目となる開幕ローテは泡となって消えた。「ケガをしたことはすごく悔しいですし、プロセス自体も結構難しい」。そう話す一方で、「ただ、野球をやっている中で怪我は残念ながら可能性としては十分あるので仕方ないかな」と焦りや不安は感じさせなかった。昨季は自己最多の20試合に登板し、9勝4敗、防御率1.95をマーク。自信があるからこそ、シーズンへ向けて状態を万全にすることを心がけている。
「安定に高いレベルで投球できたのは自信にもつながりましたし、本当に野球選手としてすごく成長したと思います」
チームメートと家族の存在もスチュワートを支えた。「家族や友達、チームメートからのサポートをたくさんいただいて。そういうところで自分の気持ち的にも頑張ろうという方向に持って行けた」。元バレーボール選手でもあるガブリエル・ウッドソンさんと昨年5月から生活を共にし、今年1月に婚約。アスリートへの理解ある愛妻の存在は頼もしかった。
「間違いなく支えになっています。フィアンセがこっちにいてくれているだけでも、すごくハッピーな気持ちになりますし。特に野球の外でもいい過ごし方ができています」
「幸せです」。そうはにかんだ右腕は一歩ずつリハビリをこなしていく。もちろん、早く怪我を治してマウンドに上がりたい気持ちはある。それでも、大事なのは万全な状態で1シーズンを戦うこと。そう自分に言い聞かせている。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)