3回からマウンドに上がると、直球を中心に2三振。4回も3者凡退と、オランダ打線を完全に封じた。最速は151キロ。春季キャンプ中は147キロにとどまっていただけに「よかったです」と胸を撫で下ろす。
例年ならオープン戦を中心に、開幕を目指していく時期。侍ジャパンに選出されたことで、他球団の選手と交流できる貴重なチャンスを得た。大津が感じ取ってきたのは、同学年の右腕から感じた圧倒的な「打たれない自信」。濃密な数日間を振り返った。
「何してる?」。3日、福岡から大阪に向かっている道中にLINEが届いた。送り主は、1998年生まれの同学年でもある西武の今井達也投手だ。昨年7月、ともにオールスターに出場。関係性はすぐに深まり、侍ジャパンでも同じユニホームを着ることになった。「『飯行こうよ』って言われたので、海野さんにも声をかけました。1回行ったことのあるお店にしましたね」。串焼きを食べながら、話題は自然と野球中心になっていった。
「(印象に残ったのは)今井と種市です。目指しているところが振り切っていました。自分のスタイルが確立していて、打たれない自信がある感じです。発言というか、取り組んでいることもそうですし。『真っすぐもこれくらい出す』って、試合前から言っていたんですよ。2人とも絶対的な決め球がありますし、自分も学ばないといけないなと思います」
日々の取り組みがどのようにして球に表れ、結果に繋がっているのか。しっかりと理解しているから、今井と種市の発言から自信が伝わってきた。キャッチボール中も、間近で今井の球を眺めた。「実際、マジでえぐいです。真っすぐがすごかった」と言葉を失うほど。「ウエートをめちゃくちゃしているとは言っていましたし。でも、彼ももともと細かったんですよ。入団した時は65キロくらいと言っていたので。僕もオフにやってみるのはアリかなと」。タイプは違えど、進化のヒントは数多く転がっていた。
6日の第2戦、大津は2番手として登板したが、先発を務めていたのがロッテの種市だった。150キロ中盤を連発してオランダ打線を圧倒。2回完全という内容で“バトン”が渡ってきた。「あれだけピシャって抑えた後でしたからね。緊張はちょっとでしたけど、投げづらいなとも思いながら……」。自分もゼロを並べ、結果を残した。「こっち(ホークス)のことも意識しながら」と、競争の立場であることは当然、頭に入れてマウンドに上がった。
宮崎キャンプの最終日、侍ジャパンに選出された杉山一樹投手とともに、小久保裕紀監督のもとに挨拶へ行った。自身を“完璧主義”と認める右腕。2月は結果で応えられていなかっただけに「リミットを外してこい」と声をかけられた。「『1回、力んでこい』っていうことだと思います。宮崎の時は、バンっていけずに、今までやってきたことをそのままやってしまっていたので。僕の中で焦りもあったし、ジャパンでも打たれたらもうチャンスはないと思っていました」。まさに吹っ切れたように結果を残してきた。鷹のローテ争いでも、自分の力を発揮していきたい。
キャリアでの最速は154キロ。「もう1、2キロくらい出したかったですね。でも、150キロも久しぶりに出たので」。自分の中でもようやく“欲”が芽生えてきた。開幕ローテーション争い、残っているのは2枠。貴重な経験を糧にして、必ず掴み取る。