直前に“耳打ち”→豪快弾…リチャードに漂うガチ覚醒 本気度が見えたふとした瞬間

紅白戦で新加入の浜口からアーチ「結果はうれしいけど…」
この世界で生き残っていくためには、打ち続けなければならない——。自らの立ち位置を理解しているからこそ生まれる“必死さ”が伝わってきたワンシーンだった。宮崎春季キャンプ第4クール3日目の17日、紅白戦で豪快なアーチを描いたのがリチャード内野手だった。
場面は2回無死、マウンドには新加入した浜口遥大投手が上がっていた。イニング間の投球練習をじっと見つめたリチャードは、左腕のボールを受け終えてベンチに戻ろうとしていた渡邉陸捕手をつかまえた。言葉を交わすこと数秒間。すっきりした表情で打席に入ると、初球の真っすぐを迷いなく振り切った。打球は左中間フェンスを悠々と越え、芝生席に着弾。喜びを見せることなく、淡々とダイヤモンドを一周した。一見、何気ないシーンから浮かび上がったのは、リチャードの「本気度」だった。
(長濱幸治 / Kouji Nagahama)