正捕手争いに「コメントしません」 ドラ6右腕が「光ってた」…小久保監督問答イッキ見
- 小久保裕紀
- 2025.02.19

春季キャンプは20日から第5クールに突入…いよいよサバイバルがスタート
ソフトバンクの春季キャンプは20日から第5クールに突入します。A組では2度の紅白戦が行われ、今後は対外試合もスタート。上沢直之投手や浜口遥大投手ら注目の新加入組や、背水の陣で臨むリチャード内野手が存在感を示す中で、投手、野手ともに激しいサバイバルが幕を開けます。鷹フルではここまで取材対応してきた小久保裕紀監督のコメントを一気に掲載。指揮官の言葉からキャンプを振り返ってみると、今後の楽しみが増えること間違いなしです!

1日(キャンプ初日)
——2年連続でキャンプ初日が雨スタート。
「予報がはっきり雨だったので。昨晩に(練習の)予定を決められたので、それはよかったと思います」
——新加入の浜口遥大投手、伊藤優輔投手と、A組入りした前田悠伍投手の印象は。
「浜口は昨年の日本シリーズで対戦して打てなかった嫌なイメージがあります。それを同じチームとして、仲間として発揮してもらいたいです。悠伍の場合は昨年とは違って、1軍の戦力として競争にいるので。ひと回り、足も大きくなったように感じましたし。野手もそうですけど、投手の競争も激しいので、誰が上がってくるのか楽しみにしています」
——「愉しむ」「出し切る」「追い求める」という3つのテーマを掲げた。
「読んで字のごとくです。状態がいい時は、人は流れに乗れると思うんですけど。そうじゃない時に戻れる場所、その日の振り返られることがあればいい。個人としてもチームとしても、自分の中でも持ってやっていけたらいいなということで掲げました」
——捕手陣の活気については。
「キャッチャー陣に関しては、コメントしません。邪魔してしまいますから」
——山川穂高内野手はS組ながら早朝から練習していた。その姿勢について。
「もともとそうしたいということでした。去年は遠慮があったんでね。当たり前ですけど。今年は自分がやりたいことを貫くんじゃないですかね。(昨)シーズン中も、一番バットを振っていたのは彼なので。彼か近藤(健介)」
——監督の目から見ても野手陣の競争は相当激しい。
「柳田(悠岐)をDHメインと考えていますけど、誰も出てこなかったらレフトを守らせますし。そうなると、じゃあファーストに誰が入るのかってなりますよね。山川がDHならですけど。そこも邪魔しないように見守りたいと思います」

4日(第1クール最終日)
——異例の寒さだった。
「ちょっと(川瀬)晃の怪我が心配ですね。練習中なので防ぐのは難しい。大事にいたらないことは願っています。詳しいことはトレーナーに聞いてください。自分もどこでやったのかわからなかったらしいので。でも痛みがあるのは事実です」
——去年の存在感を踏まえても、いなくなったら困る存在
「もちろんです。でも、幸いにも開幕まで時間はある。そこに間に合ってくれたら一番。野球人生が今年で終わるわけではないですし、そう考えた時にということも頭には入れながら対応したいと思います」
——ブルペンを長く見た第1クールだった。
「杉山(一樹)と尾形(崇斗)。昨年急成長した、自信をつけた2人がブルペンではありますけど、いい球を投げていましたし。あと上沢(直之)が、思ったよりレベルが高いという印象は正直受けました。何回も言いますけど、中継ぎの勝ちパターンはある程度確立されている中、普通に考えても中継ぎの9人枠に入るのは難しい。先発に関してもある程度決まっている中で、実績がある上沢が加わった。チーム内競争がない限り発展はないのでいいことなんですけど。選手にとっては非常に狭き門になっていると思います」

9日(第2クール最終日)
——ライブBPを見て、印象に残った投手は。
「大山(凌)は去年の最後はどんどんシュート成分が出すぎて、体から手が離れていた。今日はちゃんとストレート系の球になっていた。どっちかといえば甘く入る投手なので、よかったかなと思いますけど。あとは木村光。ブルペンで見ていてもストライク率が高いし、全球クイックで投げるし。今日の中では光がいいかなと思いました」
——ブルペンに連日足を運んでいる。
「去年もそうでした。ほとんど野手は見ていなかったです。今年も一緒です。大事なのはバッテリー、ピッチャーです」
——評価は競争が始まってからだと思うが、監督の中で気になり始めた選手もいる?
「うん。でもそれを言うとね、競争の邪魔をする。先発は普通に考えたら、あと2枠しかない。そこで誰かを言ったら、あと1枠しかないわけですからね。あなた方の仕事には申し訳ないですけど、個人名は言うと、ね。キャッチャーもしかり」
——実戦に入っていく中で、捕手に求めたいポイント。
「それは伝えています。ブロッキングとスローイングです。それが一番です」

15日(第4クール初日、初の紅白戦)
——キャンプ初の紅白戦で印象に残った選手は?
「先発ローテを争ってる投手は見てましたけどね。大津(亮介)、(前田)純、(前田)悠伍に、(松本)晴。カーター(スチュワート・ジュニア)がああいうことになったので、チャンスがある中で、そこは見てましたけどね」
——松本晴投手の仕上がりは?
「仕上がりっていうか、アピールしていかないといけないので。オフにウインターリーグに行って得るものもあったでしょうし。いいものは続けてもらいたいし、課題が見つかればそこで修正していければいいので」
——大津投手は少し苦しんだ。
「味方なのでなかなかインサイドを攻められないっていうのを差し引いても、なんかちょっとどのボールで打ち取るんかなっていうところで、そういうボールが見えないですね。結果は問うてないので、やりたいことをやってもらったらいいんですけど」
——育成の桑原秀侍内野手、藤野恵音内野手、山下恭吾内野手がバットでアピール。
「彼らは対外試合がある中でB組からこっちに来て。可能性のある限りは割り込んできてもらいたいです。だって川村(友斗)や緒方(理貢)なんか、去年は同じような立場から今はなんかもう1軍の選手っぽい雰囲気ありますもんね。今日の振る舞いとか見てるとね」
——S組の選手が合流した。
「有原(航平)も言ってましたけど、自分の調整がやれたことに対してすごくよかったっていう話をしていたんで。特に今回は宮崎がすごく寒かったので。徳之島は(気温)15度を切ることがなくて、ロンティー1枚で練習したいたらしいので。栗原(陵矢)が『来年S組や』って言っていたので、『それはない』と言いました」

17日(第4クール3日目、2度目の紅白戦)
——投手で目立ったのは?
「岩崎(峻典)やね。東洋大から来て、大卒なんで即戦力扱い。今日投げた中で一番光ってたんじゃないですか。もう1回見てみたいなと思いましたね」
——浜口投手は先発枠を争って行く。
「あんな感じでランナー出しても、縦系の変化球でゴロを打たせてゲッツー取るみたいなピッチャー。あと最後、藤原(大翔)君はもう、去年1年間で育成で一番伸びたピッチャー。球速がダントツにあがったので。もともとA組スタートでいいかなみたいな話しをしてたので。打たれたけど1イニングで36球投げて、最後まで球速が落ちないって結構なことですよ。決め球はまだないけど、正木(智也)に開き直った時の球とか、リチャードの時も。『楽しみやな』って思いましたね。今どうのこうのじゃないけどね」
——リチャード内野手は本塁打を放った。
「3打点ね。4番らしい活躍でしたね」
——リチャード選手の変化を感じる?
「山川とずっと一緒にやったこともあるんでしょうけど、去年よりちょっとヘッドが。上から出すイメージで振っている感じはしますけど、練習見ていると」
——バットが大回りしないイメージ?
「小さく打ちに行ってる感じはしますけどね。まぁあのパワーなんで、芯さえに当たれば入るからですね」
——庄子雄大内野手の打席での落ち着きは。
「フォアボールを取って、スチールも1個アウトでしたけど決めてね。途中からセカンドも守らせましたけど。ショートの子ですけど、1軍に残るのであれば複数ポジション守れた方が近いかなと」

18日(第4クール最終日)
——上沢投手が打撃投手で登板。
「(中村)晃の反応を見たら何の球種か分からないですけど、外の真っすぐじゃない球になかなか対応できていなかったので。あのボールは何ですかね。外のカットかな、スライダーかな」
——ダーウィンゾン・ヘルナンデス投手は10キロ痩せたと。
「もうシルエットが全然違いましたよね、日本シリーズで投げているときと。だいぶお腹がすっきりしていましたし。(ロベルト・)オスナも去年の初めてよりは全然よかったですね」
——オスナ投手にはクローザーと伝えている?
「伝えてあるっていうか、後ろでしか投げさせません。もちろん勝ちパターンのピッチャーです」
——今宮健太内野手が不在。
「ちょっと(左の)ふくらはぎが良くないので。1回(福岡に)帰しました。そのままやっていてもあれなので」
——病院は?
「行ってますよ。帰ってやれる治療があるので。そっちに専念させて。で、開幕に合わせるっていう感じですね」
——開幕には間に合いそう?
「それはわからないです。今の治療はいろいろあるんで。やってどれだけ回復するかですね」
——川瀬選手も含め、ショートを守る選手が相次いで離脱。
「でも(ジーター・)ダウンズと庄子は大チャンスじゃないですか」
——これから実戦が続いていく。徐々に結果が重要になってくる。
「打つ方もそうですけど、ショートに関しては守備力の方を重視するので。ダウンズと庄子はショートに専念させてという方針は伝えたので」
——ライブBPでは東浜巨投手が登板した。
「ブルペンで見るよりも良かったですね。今日は尾形はいまいちでしたけど、それ以外は下から来た子たちも。藤田(淳平)と木村(大成)か。2軍の時よりも全然いいピッチングをしていたので」
(長濱幸治 / Kouji Nagahama)