発起人の松本裕は「去年もやったので、引き続きです」とサラリ。「会の前日に食堂で近くにいた人たちを誘いました。特に意味はないです」と語ったが、誘われた後輩たちが受けた影響は大きかった。「ずっと会いたかったよ」。再会を待ち望んでいたオスナがメンバーにかけた言葉。そして松本裕の粋な計らいによって築いたものがあった――。
「去年からあるんですけど、松さんが『行こうよ』っておっしゃられて。いろいろ準備してくれていました」
こう明かしたのは、オスナを師と仰ぐ尾形だ。「あれ、えぐいです。去年も凄かったんですけど、今年は3段ぐらいの肉の塊みたいなものと、チョコレートにオスナの投球フォームが描かれていて、守護神って書いてありました。あとオスナの似顔絵もあって、マジで凄かったです」。これまでに見たことがないほどの豪勢な焼き肉。その驚きを自身が祝われたかのように興奮気味に振り返る。
誕生日会は、尾形にとっても大きなモチベーションになった。「オスナが、マツ(松本裕)さんと晴と僕に『ずっと会いたかったよ』って言ってくれたことがすごく嬉しかったです。『今年は良い1年にしたいね』って言ってくれたので、いい1年にできるようにみんなでまた高め合っていきたいなと思います」。さらなる飛躍を誓うきっかけにもなった。
2024年のキャンプでは“飛ばし過ぎ”により、オスナから注意を受けた尾形。「去年言われた通り、そんなに(強度を)上げすぎないことをテーマにしています。ここまでうまくこられているので、いい姿を見せられていると思います」。師匠からの教えを守り、順調なペース配分で2月を過ごせていることに胸を張る。
松本晴も「めっちゃ食べました。めっちゃいい肉がいっぱいあって、おいしかったです。次の日の朝ごはんを食べられなかったです」と満喫した様子。「投げているボールが凄いので、あのレベルにいかないといけないです。オフシーズンにやってきたことをまずこのキャンプで出して、ナンバーワンになりたい」。オスナや松本裕ら、実績ある先輩たちと会食をともにすることで、同じレベルに少しでも近づきたいと思うことができた。
「やる予定ではいたけど、メンバーとかは特に決めていなかったです。頻繁にご飯に行くわけではないですけど、キャンプだからやりやすいのはあります」とクールに語った松本裕だったが、表情からはチームメートへの思いが伝わってきた。自身も含めて、S組が合流する前日に行われた誕生日会はチームの結束力とモチベーションを高めた。12球団トップクラスのリリーフ陣と過ごしたかけがえのない時間。若手選手にも意味のある会になったことは間違いない。