ダウンズが早期来日したワケ「1か月は治らない」 勤勉助っ人の素顔…日本食は「世界で一番」

ジーター・ダウンズ【写真:冨田成美】
ジーター・ダウンズ【写真:冨田成美】

示した日本球界へのリスペクト「みんなのポテンシャルもすごく高い」

 キャンプインを直前に控えた1月末、ジーター・ダウンズ内野手の姿は筑後のファーム施設にあった。外国人選手の中には2月1日に合わせて来日したり、キャンプ中盤にチームへ合流するケースもよく見られるが、来日2年目の助っ人は早期来日を選んだ。

 昨季は7月末にホークスへ加入し、シーズンでは7試合の出場で打率.273、1本塁打、2打点の成績をマーク。日本シリーズでは第3戦でスタメン起用されるなど、一定の存在感を示した。今季は牧原大成内野手や廣瀬隆太内野手とセカンドのポジションを争うレギュラー候補の1人としてキャンプに臨んでいる。

 早期来日した理由はもちろん、定位置奪取に向けた強い意気込みからだが、それだけではなかった。「去年の経験を活かしたかった」。ダウンズが明かした知られざる苦悩とは——。

「去年は時差ぼけが治るのに時間がかかった。だから今年は早めに日本へ来て、キャンプにはできるだけその影響がないようにしたかったんだ」

 昨年に来日した際に苦しめられたのは深刻な時差ぼけだった。「ちゃんと寝られるようになるまで、1か月くらいかかったよ」と語る。今年も「まだ少し影響はあるね」と認めつつ、「自分の状態としてはすごくいいよ」と来日を早めた効果を強調する。

 ダウンズにとっては初の春季キャンプでもある。「キャンプっていうものが日本とアメリカでは全然違う。そういうのも1つずつ慣れていくしかない。とにかく自分ができることを準備できればいいかなと思っているよ」。関係者から「とにかく真面目」と言われる人柄がそのまま現れた言葉だ。

 時差ぼけという大敵は存在するものの、日本での生活はこよなく気に入っているという。食事については「世界で一番おいしいね」とにっこり。「店の名前を憶えているわけじゃないけど、ラーメンやチャーハン、ギョーザもおいしいね」。出てきたのはいずれも日本料理と呼べるかは微妙ではあるが、外国人選手が苦労しがちな食事面を楽しめていることは、活躍に大きな期待を抱かせる。

 レッドソックスやナショナルズでプレーしたダウンズにとって、ホークスはどう映っているのか。「凄く活気もあるし、みんなのポテンシャルもすごく高い。去年に負けず劣らず、いいチームだと思うよ」。日本球界へのリスペクトを示しつつ、こう続けた。

「とにかく去年はいい終わり方ではなかったから、今年はしっかりと借りが返せるようにというか、みんなでやっていけたらいいんじゃないかな」。チームの一員としての自覚はすでに十分。激しいポジション争いの中心に立てるのか。今から楽しみだ。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)