お相手は元バレーボール選手でもあるガブリエル・ウッドソンさん。スチュワートと生まれ年は同じで、学年で言えば1つ上になる。「一昨年のクリスマス前くらいの時期に、友達の紹介から地元の方でお会いしました」と馴れ初めを明かす。「最高です。自分のことを支えてくれるような方だと思っています」というパートナーと、日本と米国での遠距離恋愛が始まった。
2024年1月末に、春季キャンプに備えて単身で来日した。「実際、トータルで言えば遠距離だったのは2か月半くらいでした」と、ガブリエルさんは5月上旬に日本に来て、右腕を支えてくれた。はるか海の向こう側、お互いを繋いだのは信頼という太い糸。「とにかく毎日、電話で実際にお話することです。それが一番大事。とにかくコミュニケーションを取って、お話をたくさんしました。嘘は一切つかない、お互いになんでもオープンに話し合った結果(関係が)続いたのかなと」と、愛を育んでいった。
「彼女は元アスリートというところもあって、自分の仕事、自分が何をやっているのか、どういう経験をしているのか、どういう感情を抱いているのかをわかってくれる。すごく支えになります」
婚約をしたのは、1月26日。プロポーズは、膝をついて指輪を開ける。「(相手の)名前を呼んで、『結婚してください』と言いました。ちゃんとカメラマンを雇ってお願いをして、海でしました」。2人が結ばれた瞬間だった。続けて、具体的なシチュエーションや、こだわったところを聞こうとすると、スチュワートは「えへへへ」と照れ笑いを浮かべた。ともに取材に応じた安藤ケビン通訳も「なんでそんなに笑うの」と見たことがないほどだ。
「(取材で話すのは)恥ずかしかったです」
この日、春季キャンプでは初めてブルペン入りし35球を投じた。すでに小久保裕紀監督も開幕ローテーションに入れることを明言しており、右腕も「個人的にはこういう立場にいられるのは、今までずっと頑張って、去年もいい成績を残せたことが繋がっている。自信にもなっていますし、気持ち的にも昨年と比べるとキャンプは少し楽というのはあります」と意気込む。競争を勝ち抜くのではなく、ポジションを掴んで過ごす2月は初めて。自然と背筋が伸びるのも、当然だ。
スチュワートは2019年5月、ホークスに入団した。当時は19歳。周囲からの意見に対して、素直に耳を傾けることができず、偏った食事も繰り返していた。才能を開花させるまでに時間がかかったが、そんな右腕が一家の主となり、リーグ優勝に貢献しようとしている。「日本に来た時、まだまだ自分は子どもだった。それに比べてば成長しているとは思います」。2025年は2年契約の1年目。胸中を語る表情からは、愛と決意が伝わってきた。