2024年組の“あけおめ”事情…一番乗りは新婚右腕 既読スルーの2人に苦言「悲しい…」

ソフトバンク・大山凌【写真:冨田成美】
ソフトバンク・大山凌【写真:冨田成美】

既読スルーを弁明…「個人的に言えばいいかなと思って(笑)」

 新年の挨拶にも、2年目を迎える若鷹たちの個性が現れていた。2025年1月1日。同期のグループLINEで最初に「明けましておめでとう」とメッセージを送ったのが大山凌投手だった。

 グループLINE「ホークス同期」には前田悠伍投手、岩井俊介投手や育成選手も含め、2023年ドラフトで入団したメンバーがいる。誕生日には、みんなでプレゼントを贈り合うなど、同期の仲は深い。2025年もみんなで頑張ろう――。そんな思いを込めながら送った新年の挨拶だったが、大山が「悲しくなった」と語る出来事があった。

「いやいやいや、同期の先輩に物申します。グループに(挨拶を)送るじゃないですか、そうしたら、ほとんどの人は返してきたんですよ。悠伍とか(廣瀬)隆太も。だけど、大泉周也(外野手)と澤柳亮太郎(投手)。あの2人は返事がこないんですよ! 『何でスルー?』って悲しくなりましたね」

 同期の中でも、澤柳と大泉は1999年世代の最年長だ。大卒の同学年や、高卒の後輩からは続々と返事が送られてくる中、いつまで経ってもメッセージが送られてくることはなかったという。「あの2人は何をしているんですか。もう返ってこないと思って個人で送りましたよ。そしたらさすがに返ってきました」。大山は笑いながら話したが、その律儀さがよく伝わってきた。

“既読スルー”の真相を澤柳に聞いた。「大山がグループで、『おめでとうございます』みたいなことを言ってた気がしますね、確か。自分は反応していないんですけど(笑)。個人的に言えばいいかなと思っていたので……」。さらりとした弁明だった。昨年のシーズン中には、お互いが1軍で登板するたびに、LINEを送り合っていた大山と澤柳。個別で挨拶をすることの意味が、そこにはあったのだろう。2人だけの関係性があるからこそ、重くは捉えていなかった。

 宮里優吾投手にも尋ねると、「あ、やばい。僕も送っていないかもしれないです」と苦笑い。「みんな送っていたんですけど、少し体調崩してしまっていたんですよ。だから寝正月で、LINEの返信どころじゃなかったです」。大山が気づいていないところで、返事をしていない選手はまだいるのかもしれない……。

 入団1年目からリーグ優勝を経験した世代。廣瀬隆太内野手や岩井らがハワイへと優勝旅行に向かう中で、大山は「バチバチにやっていましたよ」と、福岡で黙々とトレーニングを続けてきた。内心は「楽しそうだなと思っていました。お土産買ってきてくれないかなって。でもやっぱりなかったなぁ……。まぁ、まだ会ってないですけどね」。冗談混じりに話すも、密かな期待を持ちながら年が明けて同期に会うことを楽しみにしている。

 昨年入籍した大山にとって背負うものが大きいシーズンになる。「とにかく自分を高めるだけです。日々鍛錬ですよ」。ちょうど1年前の新人合同自主トレの時と比べると、気持ちも体も、そして顔つきからもたくましさが感じられる。勝負の2年目を迎える今季。大山が同期を引っ張っていく。

(飯田航平 / Kohei Iida)