来日2年目の今季は48試合に登板して3勝3敗3セーブ、21ホールド、防御率2.25と好成績をマークした。48イニングを投げて72三振を奪い、奪三振率は驚異の13.50を記録。ダイナミックなフォームと力強い直球で相手を圧倒した。リーグ優勝を決めた9月23日のオリックス戦(京セラドーム)では、9回を無失点に抑えて“胴上げ投手”にもなった。
「(ホークスは)すごく居心地がいいなと思いました。家のように感じることができた。チームメートも『勝っていこう』という気持ちがあるし、スタッフ、監督、コーチにもすごく良くしてもらった。あと、自分が大事にしているのはフィーリングです。自分が感じていることと、チームが感じていることが同じなので。それが一番、契約を延長した理由かなと思います」
勝利を義務付けられた空気感にしっかりと溶け込んでいたから、もっとここにいたくなった。日本にやってきたのは2023年7月。「このチームは規律がありますから、みんながしっかりしていて、全体で取り組んでいることもある」とホークスの雰囲気を語る。来年は29歳になるシーズン。自らのキャリアを踏まえ、「今年やってきたことを継続していきたいですし、まずは35歳くらいまでを見据えてプレーしていきたいです」と意気込んだ。
シーズン中から常に、必死に結果を残そうとしていた。欠かせない存在としてリーグ優勝に貢献したことが、新たに2年契約へと繋がったのは間違いない。「いい1年を過ごせたと思うし、今年の成績というのは自分にとっても意味のあるものになりました」。口数こそ多くないが、ヘルナンデスにとっても今季の成績は「ここでやっていける」と、手応えを掴むものになった。
年俸は2年総額5億円規模と見られる。契約についてこだわった部分は「実は、年数は3年を希望していた。2年にはなりましたけど、お金よりも、ここで自分のキャリアを積んでいきたいと思っていました。年数というところが一番大事だと思っていました」と話した。メジャーリーグ復帰も含め、「いろんなオファーがあって、向こうに帰りたい気持ちもありました」。ホークスで2年間プレーすることを決めた今だからこそ、多くの選択肢があったことも認めた。
すでに妻子もいる左腕。福岡での生活を「相当気に入りました。チームメートも愛情のある人ばかりで、家族も『帰りたくない』と言ったこともありました」と笑顔で頷く。町を歩いていても、ファンから声をかけられることは多くなった。「新しい記録も作っていきたいし、(ホークスファンに)すごい投手だと思ってもらえるように、人間的にも成長していきたいです」と、支えてくれる人の存在をモチベーションに変えてきた。これから2年、ホークスのためだけに貢献したい。
「まずは変わらずに応援していただけたら。これから何が起きるのかわからないですけど、ひとまず今年は勝つことができた。来年も優勝したいですし、ファンの方々も自分に良くしてくれて嬉しかったです。もっと喜んでもらえるように頑張ります」と、ファンへのメッセージを語った。2025年、チームはパ・リーグ連覇と日本一を目指す。その中心に喜ぶヘルナンデスがきっといる。