西武が育成契約を結んだことを発表「改めて頑張りたいと思いました」
西武に移籍するかもしれない――。その知らせを、3人だけの場で聞かされた。同期入団で1999年生まれの同学年でもある川村友斗外野手と正木智也外野手が、“盟友”と誓い合ったこととは。
西武は24日、仲田慶介内野手と育成契約を結んだことを発表した。ソフトバンクから戦力外通告を受け、同じく育成契約を打診されていたが、新天地でプレーすることを決断した25歳。「期待していると言っていただいて、改めて頑張りたいと思いました。泥臭いプレーが持ち味なので、春季キャンプからしっかりアピールして支配下登録を勝ち取り、レギュラー争いに加わっていきたいです」と、決意新たにコメントをした。
仲田といえば、誰にも負けない練習量こそが代名詞だった。ファンに対してサインを書いた後、色紙をそのまま持って帰ってしまいそうになるなど天然な一面も持つ。チームメートからも愛された存在だった。
新天地の決定が決まった仲田に対し、川村は「まずは決まってよかったなと思います」と第一声。「お互い、来年は勝負の年になると思うので。会うためには1軍にいないといけない。上の舞台で会えるようにしたいと思います」と表情を引き締めた。2軍でもウエスタンとイースタンで、リーグも異なる。プロ野球選手として敵同士になったからには、チームの勝敗を背負い、グラウンドで真剣勝負がしてみたいというのが本音だった。
「僕も野球において、仲田にはすごく刺激をもらった。負けていられないですし、真剣な話もふざけた話もしたので。寂しいのもあるんですけど、僕も来年どうなるのかわからない。自分のことをしっかりやりたいです」
3人で焼肉に行ったのは今月11日だった。「色々と相談というか、正木とも話をしながら。『どうかな?』という話はされました」と川村が明かす。西武と育成契約を結ぶかもしれないこと、ユーティリティプレーヤーではなく二塁で勝負がしたいこと……。仲田の熱い胸中に耳を傾けた。同学年といえど、3人で食事をする機会もなかなかない。「これが最後になるかもしれないから」と、仲田の新たな門出を祝うような会にもなった。
「正木と、1回(仲田と食事に)行きたいなって話をしていたんです。そしたら『明日行くけど、来る?』って言われたので、『じゃあ俺も』みたいな感じで行きました」
正木の視点ではどうだろうか。「チームを離れてしまうぶん、一緒にいることはなくなりますけど、頑張ってきた仲なので。1軍のグラウンドでともにプレーしたい思いはあります」と語る。時間を合わせて、何度もサウナに行った。自宅にも遊びに行った。「同期の中で、1番か2番くらいに本当に仲良くしていた。これからも変わらないので、離れても仲のいい関係でありたいです」。大好きだった盟友がいなくなる。その寂しさも表情からは伝わってきた。
20日には、同期入団や同学年の選手が集まって食事をしたという。三浦瑞樹投手や、佐藤琢磨投手も参加。「仲田がいないとダメでしょう!」と、それぞれの近況を報告し合った。川村も「僕が来年1軍にいないと。仲田も、西武に行っても変わらないと思うので。会いたいですね」と気を引き締める。2025年、ホークスと西武が最初に試合をするのは3カード目の4月4日だ。必ず胸を張って再会したい。
(竹村岳 / Gaku Takemura)