ソフトバンクは15日、みずほPayPayドームで全体練習を行った。16日から日本ハムと激突する「2024 パーソル クライマックスシリーズ パ」ファイナルステージをどう戦うのか。シーズン終盤に故障で離脱した近藤健介外野手と周東佑京内野手の起用法を首脳陣はどのように考えているのだろうか。
この日の練習後に開かれた、ファイナルステージ開催前日記者会見。小久保裕紀監督は「最終決定は、スタメン発表まで分からないです。(当日の)朝の状態で最終決定なので。ずっとその状態が続きます、この先は。前の日に発表はできないですね」と、近藤の現状と起用について言及することはなかった。
近藤の足の状態と相談しながらのシリーズになる。短期決戦をどう戦い、いかなる起用法を検討しているのか。その考え方について、奈良原浩ヘッドコーチと、村上隆行打撃コーチに尋ねた。
「(近藤の状態は)大丈夫という方向で考えていますけど、明日の練習が終わり次第。16時が最終登録なので。打つのは大丈夫だと思うんですよ。今日もけっこう走れていたので。あとは、今日走った反動で明日の状態がどうなるかっていうところ。そこを再確認して、どう起用するのかはそれから判断することになるかと思います」
こう語るのは奈良原ヘッドコーチだ。この日の練習でも、シーズン中と変わらない打撃練習を行い、鋭い打球を飛ばしていた。首脳陣が心配するのは、走れるのかという部分だけだ。「いずれにしても、明日の練習の段階で足の状態や本人の感覚を最終的に聞いて判断する感じになるかなと思います」。選手登録の期限である16日午後4時までにスタメンで起用するのか、ベンチスタートになるのかを検討していくことを明かした。
さらに、「初日は行けたけど、2日目は状態が思わしくないとなれば、また変わるかもしれない。そこはちょっとまだわからないですよね。その日その日の状態でメンバーを決めていくっていう感じになると思います」。16日の初戦でスタメン起用できたとしても、翌日以降も先発起用できるかは、当日の状態で判断していく考えだ。
それでも選手登録をしないという可能性は限りなく低い。スタメンで出場できずとも、近藤がベンチにいるだけで相手に与える脅威はあるはずだ。いつ代打で起用されるのか――。そう思わせるだけでも、戦略は大きく変わってくるだろう。
村上コーチは、「登録に入るでしょうし、先発で出るのか、代打で行くかの二択だと思います。あれだけ(バットを)振れているので、あとは走れるかどうか。12球団で随一の力があるし、(ベンチから)外すことはないです。動けるのであればいてほしい」と話す。
もちろん近藤本人と話をしたうえで、冷静に決断していくつもりだ。「足の状態が一番なので、そこの相談だと思います。日によっては(状態が)違うかもしれないですし。明日は天気が悪いし、それでどうなるか。古傷だったら痛かったりするし、そういうこともあるかもしれないので。明日になってみないとわからないですね」と、その日の状態を鑑みて、慎重に判断していく姿勢を明かした。
周東についてはどうか。奈良原ヘッドコーチは「短期決戦なのでね。ある程度、先を見越してというところばかりでもなくなる。そういう意味でも佑京は大丈夫だと思うんですけどね。ただ、膝とか関節の状態って日によって変わることは結構あるんですよ。筋肉的な痛みであれば日々良くなっていくっていうことなんでしょうけど。関節と骨っていう部分に関しては、その日の状態で多少の変動は想定しておかないといけない」と、リードオフマンの状態を明かした。
レギュラーシーズンが終了し、近藤と周東は実戦での調整を行わず、治療に専念してきた。その間に宮崎で開催されているフェニックスリーグで、柳田悠岐外野手が右翼の守備に就き、フルイニング出場したことはチームにとっても大きなプラス材料だ。そこに近藤と周東がスタメンに名を連ねるのか。もしくは、代打や代走といった起用で、大事な場面でグラウンドに立つのか。いずれにしても、今いるメンバーで全力で戦い抜くことに変わりはない。