小久保監督「見てきた中でも1番の姿」…一打逆転のピンチをねじ伏せた松本裕樹を称賛

ソフトバンク・小久保裕紀監督【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・小久保裕紀監督【写真:荒川祐史】

最終回に「スクランブル登板」の松本裕が自己最速の159キロをマーク

 ソフトバンクは11日の楽天戦(みずほPayPayドーム)を5-2で勝利した。先発のカーター・スチュワート・ジュニア投手は7回無失点の快投で今季7勝目。打っては山川穂高内野手に先制の22号2ランが飛び出した。5点リードの9回に登板した津森宥紀投手が1死も取れずに2点を失ったが、最後はクローザーの松本裕樹投手が楽天打線を封じた。試合後に取材対応した小久保裕紀監督のコメント全文は次の通り。

――最後は松本裕投手がよく締めてくれた。
「そうですね。最後はホームランで逆転というところまで追い詰められましたけど、159キロ。自己最速ですかね、あの場面でね。素晴らしかったですね」

――スチュワート投手も素晴らしい投球だった。
「前回があまりよくなかったんですけど、別に体が重たいとかそういうのじゃなくて、なんか出力が出ていなかったなと思っていたんですけど、今日は中8日かな、ちょっと空いたんですけど。本当にリフレッシュされたみたいな形で、本来のカーターの力強さが戻ってましたね」

――7回を投げて103球。もう1イニング行けたかなとも思えたが。
「9連戦なんで。来週のことを考えて、一応倉野(信次投手)コーチとも話して、あそこで切っておこうということですね」

――自身6連勝と安定感が出てきた。
「はい。もう今は本当にローテーションの軸としてしっかり回ってくれているピッチャーなので。非常に頼もしく映っています」

――打線では山川選手の先制2ラン。完璧な当たりだった。
「なかなか(相手先発の瀧中は)打てそうで打てないピッチャーなんですけどね。コーナーを丁寧に突かれながら。まあ、カーブの失投を1球で仕留めたところがさすがですね」

――終わってみれば8回の柳町達外野手のタイムリーも非常に大きかった。
「まあ、その前の打席まではあまりよくなかったんでね。まあまあ、(野村)勇(内野手)がね、(二盗が)セーフなのに(ベンチに)帰ってこようとしていたんで。ちょっとね、そこは説教ですね」

――あしたに向けて。
「とにかくカード勝ち越しが一つの目標なので。しっかりあした勝ち越したいと思います」

――5-0ですっきり勝ち切りたいところだったが。
「5-0で津森は2回連続(で失点)やね。あの姿じゃちょっときついかなと思うので。もう1回倉野コーチと話して……」

――松本裕投手のたくましさが光った。
「できれば使いたくなかったんで。9連戦なんで、それも含めて4点(リード)の時は誰、5点あったら誰と、そういうシミュレーションをしていたんでね。藤井(皓哉投手)は休ませることはできたんですけど、本来なら5点あれば松本を出さずに終わりたかったというのが本音ですけどね。まあでも、さすがです。あの場面から最後、浅村とのあそこのスイッチ入った時の球。多分今まで見てきた中でも1番じゃないかってくらいの姿でしたね」

――そのスイッチを津森投手にも入れてほしかった。
「いや、まあ入れているんでしょうけどね。メカニックの問題なのか。毎年なんかこの時期にちょっと(状態が)落ちるっていうのも聞いているし。まあまあ、どこに原因があるのかをピッチングこちには探ってもらおうかなと思いますね」

――野村勇選手は本人でリプレー検証をアピールしたわけではない。
「本多(雄一内野守備走塁兼作戦)コーチがリクエスト(をアピール)したんで。帰ってきたら普通ダメなんですけど。本多コーチがやれっていってやったらセーフになりました。欲のない子ですね。それが多分あの能力があって、伸び悩みにつながっている部分ではあると思うので。僕はそういうところは結構大事かなと思うんで。やっぱり何が何でもセーフだっていう生き方と、あっさりっていうのは、自分の野球人生に関わってくるんじゃないかなっていう。意外に大事なところだと思っています」

――最近は6番に定着しつつあった正木智也外野手が先発から外れた。
「山川をDHにして、じゃあファーストをどうしようかっていう中で、(中村)晃が瀧中との対戦(成績)がよかったんで。晃でいこうかと。じゃあ(外野は)柳町と正木どっちでいこうかとなった時に、じゃあ右(投手)なんで柳町でいこうか、みたいな感じです。別に正木の状態が悪いとかいう感じじゃなくて、比較ですね」

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)