「信頼できる兄でありたい」 廣瀬と正木に見た“同じ苦しみ”…柳町が語る2人の“弟”

ソフトバンク・柳町達、正木智也、廣瀬隆太(左から)【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・柳町達、正木智也、廣瀬隆太(左から)【写真:荒川祐史】

15日に廣瀬隆太が登録抹消…後輩から正木が学んだことは「切り替え」

 ソフトバンクの廣瀬隆太内野手が15日、出場選手登録を抹消された。5月28日に1軍昇格すると、35試合に出場して打率.233、2本塁打、9打点だった。「慶応3兄弟」と表現され、先輩として廣瀬のプレーを見守っていた柳町達外野手と正木智也外野手は、どんな思いを抱いたのか? 柳町は、正木と廣瀬に「同じ苦しみ」を見たという。その真意を明かした。「信頼できる兄でありたい」と、刺激を受けた後輩たちの姿とは?

○柳町達外野手

――1軍で戦っていた廣瀬選手の姿は、どう見ていた?
「すごいなと思っていました」

――大学では学年も被っていませんでしたが、新しく知った一面はありましたか?
「ルーキーとは思えない落ち着きというか、それはすごいなと思いました」

――柳町選手も1年目を振り返ると、緊張はすごかった?
「そうですね。緊張していました」

――そう思うと、廣瀬選手の落ち着きはすごい?
「すごいです。あれだけ落ち着いてプレーできるのは。本当に、すごいの一言かなと思います」

――正木選手はヒットが出なかった時に「球場に行くのも足が重かった」と話していた。そういう意味では、正木選手と廣瀬選手は真逆に感じますか?
「まぁでも、廣瀬も最初は(初安打が出るまで)苦しんでいました。その中で落ち着いてできていたとは思いますし、正木も今年になってしっかり結果を出しているので、2人とも同じ苦しみをしながら結果を残しているので、どちらもすごいなと思っています」

――正木選手に安打が出なかった時に「プロ野球選手しているな」と声をかけられたこともあると思います。そういう意味でも、廣瀬選手もいろんな経験を積んだ期間になった。
「ここで経験して2軍に行くと、2軍戦での取り組みも変わっていきます。『こんな緊張する場面で打たなきゃいけない、守らないといけない』っていうのがわかったと思うので。そこから、どうするかですね」

――「慶応3兄弟」と表現されるのも、3人が1軍に揃っていたからこそ。改めて、3人が1軍に揃っていたこの期間は、どんな期間だった?
「みんなでちゃんと活躍をしながらですし、廣瀬、正木といたからこそ、チームとしても頑張れたと思います。今度は僕が頑張って、チームを救えたらと思います」

――野手全体で言えば柳町選手はまだ若手という印象がありますが「先輩として」という感情が芽生えた期間でもありましたか?
「そうですね。やっぱり後輩たちには負けないようにというか、信頼できる兄でありたいなとは思っていました」

ソフトバンク・正木智也(左)と廣瀬隆太【写真:竹村岳】
ソフトバンク・正木智也(左)と廣瀬隆太【写真:竹村岳】

○正木智也外野手

――1軍での廣瀬選手の姿は、どう見ていましたか?
「堂々とプレーしていましたし、1年目でセカンドで、これだけの成績を残すのはすごいと思います。僕も負けないように、負けないようにって刺激になりましたし。戻って来られるまで、僕も1軍にいられるように頑張りたいなと思います」

――7月になって正木選手のヒットが止まった時は「球場に行く足が重かった」と話していた。廣瀬選手は図太くて、すごく2人の個性を感じました。
「何も感じていないことはないと思うんですけど、でも何も感じていないような雰囲気で朝とかも(球場や食事会場に)来ていましたし。試合が終わってからも切り替えて、引きずることなくやっていたので、そこはすごいなと感じました」

――正木選手にとっては後輩ですが、本当に真逆くらいに感じました。
「僕は結構考えすぎてしまうところがある。そこは、いいところでもあるし悪いところでもあると思うんですけど、廣瀬は逆にパンパンと切り替えていた。試合後の練習とかも、僕は打てなかったら長くやったりするんですけど、廣瀬は10球、15球で『もういいや』って感じで終わったりしていたので、真逆ですね」

――廣瀬選手も初安打までに時間がかかって、正木選手も2年目だった昨シーズン、1本目のヒットまで時間がかかった。気持ちが理解できるところがあった?
「僕は2年目であいつは1年目。立場は違うと思うんですけど、焦りもあった中で、あいつはヒットを打ってからポンポンポンと(次のヒットが)出たじゃないですか。そこがすごいなと思いました。技術的なことも大事ですけど、気持ちの持ち方とか、そういうことも大事なんだなと思いました」

――大学時代と、1軍にいた期間。比較して、廣瀬選手の印象は変わりましたか?
「一緒ですね。あいつは1年生の時から図太いなと思っていたので。あいつのいいところは変わらないですね」

――お2人の距離感はどんな感じなんですか?
「今ですか? 今は友達みたいな感じですね」

――「慶応3兄弟」と表現されるのも、3人が1軍に揃っていたからこそ。改めて、3人が1軍に揃っていたこの期間は、どんな期間だった?
「やっぱり3人でプロに入ってきて、それこそ親近感というか一緒に頑張ろうという気持ちもありました。一緒に1軍でプレーして、自分も学んだりしたので。そこはすごく嬉しかったというか、高校から知っている仲の人たちなので。廣瀬は2軍に行ってしまいましたけど、また呼んでもらえるように、3人で活躍できたらなと思います」

(竹村岳 / Gaku Takemura)