首脳陣からの苦言…大津亮介はどう受け止めた? 表に出すと誓った“熱い感情”

ソフトバンク・大津亮介(右)【写真:竹村岳】
ソフトバンク・大津亮介(右)【写真:竹村岳】

12日のヤクルト戦では5回7失点…小久保監督も苦言「気持ちがあったかどうか」

 これまでとは違った一面が見られるかもしれない。苦言を受け入れて、どのように進もうとしているのか。ソフトバンクの大津亮介投手は19日、みずほPayPayドームのマウンドで投球練習を行った。次回登板は22日のロッテ戦(同)の予定。「気合を入れていきたいです」と、大粒の汗を拭った。

 前回登板となった12日の本拠地・ヤクルト戦では5回7失点で3敗目を喫した。結果以上に、首脳陣からは内容について言及された。4回2死二、三塁で山田を申告敬遠。高卒1年目、この日がプロ初スタメンだった鈴木にスライダーを左翼に運ばれて勝ち越しを許した。

 プロ2打席目だった鈴木に対して、直球は1球も投げなかった。小久保裕紀監督も「打てるものなら打ってみろという気持ちがバッテリーにあったのかどうかはすごく大事だと思います」。相手はもちろん1人のプロ野球選手だが、正面から向かっていく気持ちがあったかどうか。それを問いかけたかった。登板から1週間がたった今、大津はどのように受け止めているのか。

「やっぱり配球に関しては海野さんと2人で納得して投げているので、特に問題はないんですけど。気持ちの面で倉野さんとかから必死さというか、『絶対に抑えてやる』っていう気持ちが伝わらなかったっていうのを言われたので。もちろん1軍で投げているので、ないわけではないんですけど、そうやって感情を表に出すというか、気迫を込めてもっと堂々と投げられたらいいなと思いました。そういうところで、損したらもったいないので」

 自分自身を「負けず嫌い」と表現し、昨シーズンは打たれて涙したこともある。負けん気の強さが最大の武器だからこそ、弱気になってしまったヤクルト戦は反省するしかなかった。倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)も「戦う姿勢を感じられなかったのが残念だったし、この姿ではマウンドに上がれないよという話はしました」と明かす。自分にとっても、次が大切な登板になることは誰よりも理解している。

「もちろん気迫は込めていますし、感情を自分から出すのは難しいんですけど、次からは自然と出るように。気合を入れていきたいなと思います」

 マウンド上では、大げさに感情を表現するタイプではない。1人の投手としてどうあるべきなのかを踏まえ、もう少し感情を出してもいいのではないか。考えさせられる登板となった。「ピンチの時とか、狙って三振が必要な場面とか、ギアを上げたところで、その結果が狙ったように行けたりして、点を取られなかったら『よっしゃあ』ってなると思う。そういうところで出していけたら」。相手チームへのリスペクトも大切だと理解した上で、次の登板だけは、真っ向から挑んでいきたい。

「気持ちの入り方次第と思います。わざと出しても意味ないですし。そこは本当に、その時の気持ちで表現できたらいいなと思います」

 先発として経験する全てが初めて。悔しさを乗り越えた先で、もっと大きな投手になれる。

(飯田航平 / Kohei Iida)