廣瀨隆太の最大の持ち味は“高め”…「正木が言っていた」 小久保監督のコメント全文

ソフトバンク・小久保裕紀監督【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・小久保裕紀監督【写真:荒川祐史】

笹川吉康がプロ初安打…続く廣瀨隆太が初のホームラン「大したもの」

 ソフトバンクは14日、阪神戦(みずほPayPayドーム)に2-0で勝利した。先発のリバン・モイネロ投手が7回無失点、12奪三振の好投で4勝目を挙げた。打線は、4回2死から笹川吉康外野手がプロ初安打となる中前打で出塁。2死二塁となり、廣瀨隆太内野手が左翼テラスに1号2ランを放った。貴重なプロ初ホームランが、決勝点となった。試合後、小久保裕紀監督が取材に応じた。コメントの全文は以下の通り。

――若い2人が勝利をもたらした。
「伊藤(将司)がコーナーをつく彼らしい投球でなかなか打ちあぐねていたんですけど、今日は若い力と言いますか、久しぶりの“筑後ホークス”の活躍で勝てました」

――2死走者なしから笹川選手がヒットでチャンスを作った。
「ファームでも対戦があるので、今日はスタメンでいこうというのは今週の頭から決めていました。その前に緊張をほぐす意味でも、代走、守備固めで使えたらいいなと思って打席には立っていたので、比較的に今日は落ち着いて、そんなに緊張していないと言っていたので。いい結果が出てよかったですね」

――笹川選手の盗塁は自分の判断だったんですか?
「一応サインはありますけど、自分の判断っちゃ自分の判断ですね」

――廣瀨選手が初ホームラン。
「彼らしい高めのさばきと言いますか、真ん中付近はあまり打てないんですけど、高めのボール球は強いですね」

――モイネロ投手が12奪三振の投球。
「全部のボールがいいので、やっぱりファウルになってしまう。前に飛ばずに。球数が多くなってしまうんですけど、三振も取れる投手なので。今日は8回、9回で松本(裕樹)、オスナでいこうと決めていた。7回まで素晴らしい投球でした」

――カードの初戦を託している中で、モイネロ投手の活躍というのは。
「初めての先発でここまでやってくれるとは正直思っていなかった。一番の心配は、抑えるとは思っていたんですけど、スタミナ面でもう少し間隔を空けないといけないという計算でしたが、彼の体と、倉野コーチがコミュニケーションを取りながら、体的には行けるということでほぼ中6日で回しています。本当に頼もしいと思います」

――交流戦優勝の可能性がある。明日に向けて。
「あの、他力(優勝できるとしても)なので。自分たちができることをしっかりとやって、カード勝ち越しが1つの目標なので、しっかりと明日戦いたいと思います」

――笹川選手は、今日のスタメン起用を見据えて逆算していた。
「逆算というか、今日は頭で行こうと決めていた。それでヒットを打つんですから大したものですよ」

――2軍監督時代から指導してきた選手の1人。
「この時期に1軍に上がるとは思っていなかったですね、正直。成長スピードが早いというか、急に伸びたという感じです。ファームで2割くらいしか打てなかった選手が、今年の一番のところは、左投手の外に逃げるスライダーが、去年までは当てるだけの三遊間へのヒット、打ってもレフト前に行く打球しか打てなかった。今年は見ていると、左のスライダーを引っ張ったような打球でレフトの方に打てるような技術がついた。技術が伸びたというか、掴んだというか。それは感じていました。成長している感じがします」

――廣瀨選手も、引っ張った方向にホームランが出た。
「右投手はまだ苦しんでいますけど、左投手はファームの時もよく打っていましたし。課題は多いですけど、守備も含めてよくやっていますよ」

――高めにツボを持っている。
「僕も直接は知らないんですけど、正木(智也)が“悪球打ち”って言っていたので、間違いないと思います(笑)。同じ大学でやっていたので」

――笹川選手は積極性も持ち味の1つ?
「いや、ファームではそんな姿はなかったけど。もちろん初スタメンだから、ああいう姿になるでしょうから。ファームは何でもかんでも振りに行く感じではなかったです。でも初スタメンでなかなかヒット打てない。しかもそれが起点となっての勝利ですから」

――笹川選手の1軍に上げた一番の要因は。
「才能じゃないですか? 結果ではないですから。結果が三振だろうがどうなろうが、その前のボールに対する対応を我々は見ている。結果だけを見ているわけじゃないので」

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)