もどかしい胸中を明かした。ソフトバンクの田浦文丸投手は左肩に違和感を抱き、リハビリ組での調整が続いている。「なんとも言えないですね。体の状態が上がってきていないです……」。ファーム施設「HAWKS ベースボールパーク筑後」での地道な日々。自分自身の“今”を語った。
2023年は45試合に登板して2勝1敗、7ホールド、防御率2.38。キャリアハイのシーズンを過ごして「前半戦、ある程度ストレートで押せたことは収穫でした。後半に落ちてしまったところはありましたし、来年(2024年)は元気にというか、ずっと投げられるように頑張りたいです」と振り返っていた。年が明けた1月からリハビリ組に移行。2月の春季キャンプ中は一時B組に合流したものの、思うように状態を上げられずにいる。
「(2月にB組に合流した時は)まだ状態は6割くらいだったんですけど、プラン通りに行けばそこで投げられると信じていました。でもそれ以上が上がらないと思って、そこから一回、やめました。(福岡に)帰ってきてシートバッティングをしようとなったんですけど『無理だな……』と思ったので」
5月30日、田浦はブルペン投球を行った。傾斜を使っての投球こそ再開しているものの「実戦はまだです」という段階だ。左肩に違和感を覚えたのは1月。そこから4か月が経った今も「状態が上がっても、それ以上が上がらない感じです。(ブルペンでも)135キロ行かないくらい」という。次のステップも「あんまり気にしないようにしています。わからないことが多いですし」と、目の前に集中する日々だ。
痛みを覚えて左肩に注射を打った時は、肩を上げることもできなかった。「今は大丈夫ですけどね」。昨シーズンに1軍でたくさんのやりがいを感じた。リハビリ組で対照的な日々を過ごす今を「もちろん(1軍に)戻りたいです。それ以外ないです。(気持ちの波も)あってもいいとは思うんですけどね、落ち込む時間もないので」と言う。
今の心の支えについて問われると「肩の痛みがだいぶなくなってきたことです」と前を向く。1軍の試合結果も「最初は見ないようにしていました。最初はやっぱり焦りたくもなかったので」と言うが、「最近はちょっと見るようになりました。少しずつ先が見えてきた」と、心境にも変化が生まれ始めている。
ファンを見ていても、田浦の早期復帰を望んでいる声はとても多い。メッセージをお願いすると「1軍の舞台にまた戻りたいと思いますし、できる限りの努力はします。また皆さんの前で投げたいと思います」。田浦らしく静かで低い声で意気込んだ。信じてくれる人たちを支えにして、今は自分のことに集中する。